30~40代にもなると、男性も女性も、将来不安がむくむくと頭をもたげてくる。特に心配なのは、やっぱりお金のこと。
でも私たちが思い込んでる“家計の常識”は、意外と間違っていることが多いようだ。
◆実は年収1000~1500万円世帯が破綻しやすい
まず、収入が低くて結婚ができない……と思っている人に対して、ファイナンシャルプランナーの伊藤亮太氏はこうアドバイスをする。
「お金がないからという理由で、結婚を諦める人が多いですね。でも、専業主婦希望の相手の場合は難しいですが、女性側に働く気があるのなら、結婚したほうが明らかに一人あたりの支出は減り、収入は増える。収入の低い人こそ生活レベルを向上させるチャンスなので、諦めるのはもったいない」
だが、ダブルインカムだからといって油断していると、実はそこにも落とし穴が……。ファイナンシャルプランナーの花輪陽子氏は、「恵まれた家庭ほど破綻しやすい」と指摘する。
「経済的に破綻しそうな家庭は実は世帯年収1000万~1500万円ぐらいの家庭に多い。それは、収入が多いと、家や教育費、娯楽費などの水準が上がり、固定費の負担を大きくしてしまうため。アリとキリギリスのキリギリスにならないよう、仮に収入が上がっても、生活水準を目いっぱい上げないように常に注意してください。
特に共働きのDINKSは、お互い働いているので、『多少使っても大丈夫だろう』という安心感で、つい使いすぎて破綻してしまうパターンが多い。夫婦間の支出は透明化するように心掛けて」
◆月1万円でもいいから貯金癖を
では、これらを踏まえたうえで貯蓄する場合は、どうすれば?
「貯蓄するには、小遣いをむやみにちまちまと削っていくよりも、固定支出を下げて捻出するほうが実は簡単です。具体的には『家賃を下げる』、『保険額を見直す』などが一番手っ取り早い。特に保険は、月に数万円と、保障内容を理解せずに多めに支払っている人も多い。独身の場合は、保険は掛け捨てで数千円ぐらいでも十分」(伊藤氏)
また、人生最大の買い物といわれる「家」も、買わない選択肢を視野に入れるべきとは花輪氏。
「家に関しては、地震が起これば上物の資産価値ゼロになるリスクも。来るべき人口減少時代、年寄りでも賃貸住宅は借りやすくなるので、『一生賃貸』も視野に入れたほうがいいかもしれませんね」
◆貯金は手取りの25%、小遣いは手取りの10%
具体的な貯金額の目安は?
「貯金額に関しては、夫婦で年収が600万円以上あって、生活費でカツカツという世帯でなければ、手取りの4分の1、25%は貯金に回すように努力を。また、お小遣いは、月収が30万円なら3万円ぐらいと、手取りの10%前後を意識してください。いきなり実践するのは厳しくても、できるだけこれらの額を目標に。
また、老後の資金に関しては“漠然と”不安を抱える人が多いですが、『年金ネット』で確認するだけでも、具体的に必要な額がわかります。やみくもに不安になるのではなく、月々いくら貯金すればいいのか逆算し、月1万円でもいいから“貯金癖”をつけることから始めましょう」(花輪氏)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131011-00030201-jspa-life