佐渡市で生まれたあと、中国に返還されたトキの子や孫にあたるトキが元気に育ち、中国の内陸部の河南省で、10日、自然に放されました。
中国で日本とゆかりのあるトキが自然に放されたのは初めてです。中国・河南省のトキ保護センターは、10日、大型のケージの一部を開放し、野生復帰を目指して飛ぶ訓練などを受けていた34羽のトキを自然に放しました。
放されたトキの多くは、新潟県佐渡市で生まれたあと、6年前に中国に返還された13羽のトキの子や孫にあたります。
中国で日本とゆかりのあるトキが自然に放されたのは初めてです。かつて、日本では野生のトキが絶滅したほか、中国でも1980年代はじめに7羽にまで減少し、絶滅寸前になりましたが、保護や繁殖活動が軌道に乗り、今では中国や日本、それに韓国の3か国で、あわせて2000羽を超えています。
中国でトキの保護事業を支援しているJICA=国際協力機構の森康二郎さんは「日本の血筋をひいたトキが中国の自然に帰り、日中のつながりを象徴するようで非常にうれしい。今後は、地元とともに、トキが安心して生きていける環境作りに努めたい」と話していました。
地元の自然保護区の朱家貴副局長は「日本と中国のトキの放鳥が、今後もうまくいくことを願っているし、日中の交流もさらに深まってほしい」と話していました。
http://www3.nhk.or.jp/niigata/lnews/1035185231.html