骨粗しょう症の人・太ももの骨などの骨折した人・骨折リスクが高い人などは転倒・骨折を繰り返さないためにも薬を使った治療が大切に。治療・転倒予防のポイントをご紹介。
1.骨粗しょう症の診断
骨粗しょう症の診断では、まず骨密度を測って骨の強さを調べます。主な測定法には、大たい骨の付け根と背骨や手首の骨密度を測るDXA法、手の骨密度を測定するMD法、かかとに超音波を当ててかかとの骨密度を調べる超音波法があります。骨密度の測定以外には、背骨の圧迫骨折の有無を調べるエックス線検査、身長測定、骨代謝マーカーを測定する血液・尿検査などが行われます。これらの検査を総合的に行うことで、骨粗しょう症の有無や重症度だけでなく、骨粗しょう症を招くほかの病気の有無がわかります。
2.薬物療法
骨粗しょう症と診断された場合には、生活習慣の改善と併せて、薬物療法を行うことが重要です。骨密度以外に、骨折のリスクなども考慮しながら治療が行われます。基本的には、「女性では閉経後、男性では50歳以上で、大たい骨の付け根や背骨に脆弱性骨折(ささいな負荷がかかるだけで起こる骨折)がある人」、「骨密度がYAM(若年成人の骨密度の平均値)の70%未満の人」は、すぐに薬物療法が開始されます。また、骨密度がYAMの70%以上80%未満の場合は、「大たい骨の付け根や背骨以外の脆弱性骨折がある」「大たい骨の付け根を骨折した親がいる」「FRAX(骨折リスク評価ツールの値)が15%以上である」という条件のうち1つでも当てはまれば、薬物療法を開始します。
薬には、「骨を壊す働きを抑える薬(ビスホスホネート薬、SERM)」「骨をつくる働きを助ける薬(ビタミンK2薬、副甲状腺ホルモン薬)」「骨代謝のバランスを整える薬(カルシウム薬、活性型ビタミンD3薬)」の3種類があります。
3.転倒予防のための工夫
骨粗しょう症の人は、転倒による骨折の予防を心がけることが大切です。転倒や骨折のリスクが高い人は、外出時には歩行車やつえで歩行を安定させることで転倒防止の効果があります。また、リュックを背負うと前かがみになるのを防ぐことができ、バランスが改善します。両手が空くので転んでも手をつくことができ、大たい骨の付け根を骨折するリスクも軽減できます。
屋内では、安定しやすい肘掛け椅子を用いたり、夜間の転倒防止のために廊下や階段に小さな照明を設置するなどの工夫するとよいでしょう。
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20130814-h-001.html