楽しく、安全に水辺で遊ぶにはどうすれば良いか、お出かけする前にぜひ押さえておきたいポイントをご紹介しました。
子どもの水難事故が最も多いのは、実は「川」。一見安全そうに見える流れにも、危険が潜んでいます。どんな場所なら安全に遊べるのか、その見抜き方を川のスペシャリストに教わりました。
そして「海」には、大人も知らない間に流される、怖い「流れ」があります。その見抜き方とは。
さらに、万が一身近な人が溺れてしまった場合、命を救うためにまずやらなければいけないことを、救命救急の専門家が実演を交え、アドバイスしました。
■浅くても要注意! 川に潜む危険
水辺の事故のうち、中学生以下の子どもがいちばん多く被害に遭うのは「川」です。しかも、流れが穏やかで、水深がそれほど深くない場所でも頻繁に発生しています。
穏やかな川での体験談
5歳の女の子が川で溺れ、危うく流されかけたという体験談を紹介しました。
場所は、京都府を流れる由良川(ゆらがわ)。流れは穏やかで、水深も女の子のひざから腰くらいの深さしかなく、とても安全そうに見える川でした。
しかし、魚を捕まえようと歩き出したとき、急に水面から顔を出した状態でバシャバシャもがくように溺れてしまい、そのまま少し流されたところで、救助されました。
穏やかだと思っていても意外と大変
そこで、穏やかな川の怖さを調べるため宮下くんが実験を行うことに。
水路型の実験装置を、体験談にあった川とほぼ同じ状況になるように再現。どれくらいの深さで人は流されてしまうのかを、「足を滑らせてしゃがんでしまった状態から立ち上がれるかどうか」実験することで検証しました。
その結果、水かさが腰までの高さになったときに、しゃがんだ状態から立ち上がることが困難になり、流されてしまうことが分かりました。
ただし、流れが速くなると、より低い水位でも危険なので、とくに子どもが遊ぶ場合には、ひざより下の範囲にしたほうがよいといえます。
取材協力
京都大学防災研究所
■地元のエキスパートに教わる 川の危険回避術
体験談で女の子が流れた由良川(京都府南丹市美山町)は、町内の小中学校にプールがないため、夏休みになると、保護者の管理のもと川に数か所の「水泳場」が設けられ、子どもたちが泳いでいます。川を知り尽くす地元のエキスパートに、危険回避術を教わりました。
ポイント1 地形を見る
川がカーブしているところは、カーブしている外側の部分が、水深が深く、流れも速くなっています。穏やかな川でも、カーブの外側で急に深くなることがあるので要注意。
ポイント2 障害物の下流
岩場や障害物の下流では、本流と異なる流れが生じ、その流れの境目には、下に引っ張られるような、渦状の流れが発生します。水面は穏やかに見えるため、つい遊びたくなる場所ですが、幼い子どもだと川底に引きずり込まれる危険性もあります。
ポイント3 ふだんの川との違い
ふだんの川との変化に気づく、いちばん重要な手段は「濁り」を見ること。濁りは、上流で大雨が降っていたり、土砂災害が起きている可能性を示す重要なサインです。
また初めて来た人でも分かるポイントは、河川敷の草。草が生えている場所は通常、水に浸っていない場所なので、草が川の中に見えるときは、増水しているサインになります。
こうしたサインを見逃さず、上流で起きている変化に敏感になることが大切です。
取材協力
藤原 誉さん(NPO芦生自然学校)
上林 真実さん
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