「浮気したら絶対許さないからね!」と付き合っている男性にくぎを刺す、そんなやりとりを一度は見聞きしたことがあるだろう。
男性はたくさんの子孫を残すためにも、特定の彼女だけでなく目新しいターゲットに興味を示してしまう表れだ。擁護するつもりは毛頭ないが、言い換えればオスは生まれつき浮気性なのだ。
男性に比べると話題が少ない女性の浮気も、実は子孫繁栄がキーワードとなっている。周期的に増減する2種類の女性ホルモン、これこそが女性を浮気駆り立てる原動力なのだ。
■排卵で元気になる?
多くの生物は妊娠可能な時期だけが「発情期」なのに対し、人間の発情は排卵期以外の妊娠できない期間も含まれ、生物学者はこの時期の性欲を「拡張性欲」と呼んでいる。
他のほ乳類にも拡張性欲を持つ生物はいるが、人間の場合は顕著で、妊娠可能な「発情期」、妊娠とは関係ない「拡張性欲期」が合わさり、一年中発情期と言える状態になっている。
妊娠可能な排卵期になると、エストロゲンという女性ホルモンが増加する。排卵期はたった5日間に限定されているため、この短期間に妊娠しようと工夫がなされるのだ。
エストロゲンには髪や肌を美しくさせるだけではなく、胸を大きくし、腹部の脂肪を燃焼させ魅力的なからだをつくる。
さらに内面的にも変化をもたらし、気持ちが前向きに明るくなり、自律神経を安定させる効果がある。躍動感と安定した精神。このホルモンが増加する時期は、内も外も魅力ある女性になれるのだ。
美しくなった女性は男性の目を魅了する。それが女性自身の自信につながり、いつもよりちょっと派手な格好をして出歩くなど、プチ冒険行動が多くなる。
あわせて男性の好みも内面より外見を重視するようになる。即断しやすい価値基準に変わり、肉体的に優れた男性にひかれるようになるのだ。
自信を持った肉食系女子が身体的に魅力の肉食系男子とひかれ合い、互いに即効性のあるメリットを求め合う。その結果、火遊びのような短期的な関係、つまりは浮気に発展するのだ。
■操の守護神・プロゲステロン
浮気に駆り立てるホルモンだけでは、一夫一婦制どころか操(みさお)も心配だと思うのも当然だが、ご安心あれ、その衝動を抑制するホルモンも女性は持ち合わせている。
エストロゲンの後を追うように増加するホルモン・プロゲステロンだ。
何をするにしてもイライラしていてなんとなく不機嫌になる。何を食べてもむくみやすく太りやすい。誰にも会いたくないし、調子がいまひとつ良くない。
プロゲステロンというホルモンが妊娠の本格的な準備をするための副産物で、言い換えれば女性特有の現象なのだ。
つまり、エストロゲンの効果で魅力的になった時期に妊娠した場合、できればあまり外出せず、異性の誘いにも乗らず、おとなしくしていた方が良い。プロゲステロンの増加は赤ちゃんを守るための、からだからのサインなのである。
妊娠せず生理が終わればプロゲステロンは徐々に減少し、再びエストロゲンが増加し、そしてまた排卵期を迎える。
人間の女性は、この排卵期までの長い拡張性欲期間が特徴で、エストロゲンに踊らされた短絡的なメリットとは真逆に、長期的なビジョンのもとにパートナー選びをおこなう。
この時期にひかれるのは優しくておおらか、自分や自分の子を大切に扱うなど、原始的な本能とかけ離れた理性的な男性を求める。自分に生涯寄り添い、結婚相手となりうるような人を探すのである。
たまにはハメを外すのが良いってことだろうか。
いつも変わらなくてこそ、ほんとの愛だ。(ゲーテ「四季」より)
■まとめ
エストロゲンとプロゲステロンのバランスが崩れると月経不順や体調不良を起こすこともあり、整えるにはイソフラボンが良いらしい。
大豆にも含まれる自然由来の成分だから、からだにも優しそうだ。ただしイソフラボンはエストロゲンに似た作用もするので、過剰摂取にはくれぐれもご注意あれ。
(関口 寿/ガリレオワークス)
http://news.goo.ne.jp/article/mynaviwomen/life/mynaviwomen-631491.html