[ カテゴリー:子育て ]

金銭感覚がない子の末路は、一様に悲惨

グローバル化が進む中、親たちは、子供を世界で通用するエリートに育てるため、日々、努力を重ねている。しかし、若手マザーの中には、子育ての仕方がわからず、周りの助言にも恵まれないケースも多い。そこで、一般的な家庭ながら、子供を国際弁護士、国際金融マン、海外著名大学教員、公認会計士に育て上げた著者が、読者の皆様からの子育て相談に回答する。
子供の金銭感覚は、親の背中をみて自然に身に付くものでしょうか?  今回はおカネの出入りは考えずに勉強だけに集中させたい親と、生活費の金額を把握したい子供側の言い分から考えたいと思います。

【某大学大学院 Sさんの寄稿文】
「やりたいことをやらせる」。これが私の親の教育方針であると思います。なぜなら、何か意思決定をしなくてはいけないとき、親は必ず「自分で考えたことなら、好きなようにしなさい」と言ってくたからです。しかし何もアドバイスがないわけではなく、必ずアドバイスはありました。後々、思い返すと、親のアドバイスどおりに行動してきたことも多かったのですが、「自分で最終的な判断をしたんだ」という実感があったため、過程にも結果にも責任を持つことができました。
親に改善してほしかった点は「おカネに対する教育」です。大学に入り、一人暮らしをする友人が多くなりました。その友人の金銭感覚と自分の金銭感覚を比べた際、大きく違うことがわかりました。具体的には、一人暮らしをする友人は生活費やさまざまな費用を自分で把握していますが、私はまったくわかりません。テレビやネット、友人の話で、ある程度想像することはできますが、それはあくまで他人のことであり、自分の生活費などは想像による概算です。
もちろん、遊ぶおカネは自分で稼いでいますが、自分が生活するうえでの必要な費用は、まったく把握できていません。親に聞いても「子供が知ることではない」の一点張りです。今は勉強することが最優先だと、親は私に対して言いますが、いつか自分で生活費も払うわけですから、その前に生活面での金銭感覚を養うことは、必要不可欠な問題であると私は感じているのです。
<パンプキンからのコメント>

■ 金持ちは必ずしもぜいたくな生活をしていない

金銭感覚といえば私が反射的に思い出すのは、大金持ちなのに「毎日の食事のメインはメザシ」で有名になった経団連の元会長、土光敏夫氏です。石川島播磨重工業の社長で東芝を再建した人としても有名です。政府の行革のメンバーとして国鉄などの民営化を答申するなど、今でいえば日航を再建した稲盛和夫氏のような存在の方でした。

大社長なのに家は古いまま、髪は家庭で息子が刈り、通勤はバスと電車、夕食はいつもメザシ(少し誇張があったようですが)という氏の日常がNHKで放映された当時、ずいぶん評判になりました。氏はケチや節約家というのではなく、ぜいたくな生活を望まず、ムダを嫌う合理的な金銭感覚は、土光家では至極当然のことのようでした。高額所得者になっても暮らしぶりは庶民的なスタイルのままになっただけで、氏は蓄えたおカネはすべて、母上が設立されたた女子学園に寄付されています。

対照的に想起されるのは、55億円以上もギャンブルにつぎ込んだ、あの大王製紙の東大卒の御曹司です。四国の田舎から自家用機で東京の塾に通うほど裕福に育てられれば、金銭感覚もかくなるものかと世間の注目を浴びました。仕事面では大変に有望だったらしいですが、とてつもなく裕福すぎた彼が身に付けた金銭感覚は、彼を懲役4年の実刑判決に、つまり刑務所行きの身分に陥れるものでした。

同じリッチマンでも、両者の金銭感覚には雲泥の開きがみられます。土光氏の家庭環境は製紙会社の御曹司、井川氏ほど裕福でなかったという要因も考えられますが、人が身に付ける金銭感覚は、家庭環境だけで決定づけられるものではないようです。

■ 子供の金銭感覚は、自然には身に付かない

私は成人になってからもずいぶん長い間、金銭感覚を学ぶ必要など考えたこともありませんでした。収入に見合った絶対に必要な支出があり、時々のぜいたく費、冠婚葬祭費のほかは、臨時出費や将来に備えて貯蓄に回すのが、万人に共通したおカネの使い方、つまり金銭感覚だと思っていたのです。

ある時期まで、私が見聞きできた人や家庭はどこもそうでした。そして序々に世間が広まるにつけ、人によって金銭感覚が違うことを知り、あきれたり驚いたりしたのです。10万円の収入に20万円を使う、しかもそれがぜいたく費や遊興費だったりする破滅型の人が存在するのをみて、本当に驚きました。支出の優先順位が常識人からみるとまるで逆で、それが金銭感覚の違いなどと言われると、表現が美しすぎると違和感を抱きました。いつの日か他人に迷惑をかける場合が多く、それはほとんど犯罪に近いにおいのするものでした。金銭感覚の違いについて、私が最初に遭遇した体験でした。

金銭的に堅実な家庭で育った人には、おのずと常識的な金銭感覚が身に付くものだと思っていましたが、現実は、家庭環境だけで解決する問題ではなさそうです。大金持ちの家で育った人でも物欲が全然なくて、交際費もケチでひたすら貯蓄が趣味という人を何人か知っています。こちらは他人にさして迷惑をかけるものではありませんが、収入をはるかにオーバーするぜいたくな生活や、ブランド品に囲まれないと生活できなくなった人も何人もみてきました。その末路は一様に悲惨です。

以上の例は、家庭環境が豊かでない環境に育つと、おのずとやりくり上手な金銭感覚が身に付き、裕福に育つとその金銭感覚はどんぶり勘定、というのでもないことを示しています。

■ 親子間でおカネの話をタブーにしてはいけない

昔、何かの本で読んだエピソードを思い出します。アメリカの、とある裕福で堅実な家庭の教育のひとつとして紹介されていたのですが、そこでは一家で高級レストランへ行くときは、夫婦と子供の席は必ず別々だというのです。夫婦が子供たちにいわく、「あなたたちも私たちのように高級料理を食べたければ、働いて自分の稼ぎで注文できるようになりなさい」。当時はそこまでする必要があるかなぁ、という感想でしたが、今では納得のいく教育だと受け止められます。

夫婦共働きで、超庶民的な家計のやりくりに追われるある友人は、高校生の子供がいろんな習い事や塾へ通い始めては、簡単に辞めるので困っています。高額な入学金が無駄になっていくわけで、家計を圧迫しているというのです。私は友人に、1カ月の夫婦の収入と絶対必要な支出を子供に公開して、教育費につぎ込めるのはこの範囲内だと教えるべきだと助言しました。

友人は「おカネのことを子供に言うなんて、とんでもない。そんなことを言ったら、あの子はすべての勉強をやめるに違いない」と言うのです。ならば辞めさせよと言いましたが、相談する相手を間違えたという顔つきでした。

今回の寄稿文では、子供さんのほうからおカネの出入りを知りたがっているのに、親のほうが、その話をタブーにしています。日本ではまだまだ親の世代で、おカネの話をするのは品がない、あるいはおカネの心配を子供にさせるのは親の不甲斐性、という考え方があるようです。

経験上、断言できることですが、親子でおカネの話をすることや適正な金銭感覚を持たせる教育は、三度の食事をさせるのと同じくらい大切なことであり、決してタブー視すべきではありません。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130830-00018668-toyo-soci&p=1

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