ネット証券のパスワードをパソコン上に保存してはいけない
ネット犯罪が増加中。あなたの資産を守るセキュリティ対策は万全?
インターネットを経由した証券取引、資産管理はとても便利です。いつでもどこでも、ネットに接続できる環境があれば、株式売買、投資信託の購入といった証券取引が自由にできます。
しかも、自身の口座管理ページにログインするには、IDとパスワードでOK。実に簡単です。パスワードは誰かに推測されにくいものを選ぶ必要があります。自分が覚えにくいという理由から誕生日などの数字を利用する人がいますが、これはハッキング(不正にパソコンなどに進入する行為)されやすいといわざるを得ません。
家族の誕生日や自宅の電話番号、家族のイニシャルをつなぎあわせたものなどもパスワードに利用されることが多く、これらは犯罪者の側からすれば推測しやすいので要注意です。
また、ネット証券の自身の管理ページにログインする際、パソコン画面にパスワードを保存する人がいます。次にログインする際に便利なので、そうする人が多いようです。しかし、パスワードを保存するリスクとして、そのパソコンが盗まれた場合などは当然簡単にログインされてしまいます。
万一のリスクを回避する上で、面倒でもパスワードを保存しないように注意しておきましょう。またパスワードを既に入力してしまっているなら、今すぐにでも削除することです。削除方法は使っているブラウザによって違いますので、検索窓から「ブラウザ名」「パスワード」「削除」などの検索ワードを入れて調べ、手順に従って削除することを強くおすすめします。
なお、インターネットエクスプローラ(IE)を使っている人は、下記のリンクの削除手順に従ってください。
・Windows 「保存したパスワードを削除する」
セキュリティソフトを入れておく
パソコン取引では今は当たり前となっていますが、セキュリティソフトを入れておくことは重要です。素人には理解できませんが、他人のパソコンにアクセスし、遠隔操作を行うことも可能だからです。誰にでもできるわけではありませんが、ネットにかなり精通したプログラマーやこの手を利用する犯罪者にはそれほど難しいことではないといわれます。
自分だけは大丈夫などと思わず、少しでもリスクを抑えるためにセキュリティソフトを必ず入れておくことは重要といえます。これにより、無防備なパソコン間からハッキングのリスクを減らすことができます。これでも完璧というわけではありませんが、セキュリティソフトが入っているのといないのでは、情報漏えいリスクに雲泥の差があるといってもいいでしょう。
フィッシング犯罪が横行している
セキュリティソフトを入れていれていても、犯罪者は次から次へと新たな方法であなたたちのIDやパスワードを知ろうと狙ってきます。そのひとつがフィッシングと呼ばれる犯罪です。警視庁なども特設ページ(「いわゆる「フィッシング」事案への注意喚起について」 )で注意を促しています。
フィッシング犯罪とは、取引している証券会社などの金融機関を装い、いかにも正規のメールのような内容で、偽の本物そっくりなウェブサイトに誘導し、IDやパスワード、時にはクレジットカード番号などを入力させて情報を盗む犯罪です。仕掛けた餌(=わな)に引っかかった魚(=被害者)になぞらえてフィッシングといわれます。
まず皆さんに知っていただきたいことは、金融機関が、自身の口座管理ページからログインする以外に、IDやパスワード、口座番号等をメールで尋ねてくること、またそれらを記載した情報を返信させるような行為をさせることは、絶対にありません。
犯罪メールの中身ですが、金融機関名や住所などはホンモノで、送信メールのドメインがニセモノ(類似している)であり、メールから偽のホームページに誘導したりします。中に書かれた電話番号もホンモノと違い、仮に電話をした場合、ホンモノの金融機関名で電話で出るなど本当に犯罪は巧妙です。
怪しいメールは無視するのが一番よいのですが、もし自分で判断できない場合は、メールに書かれている電話番号ではなく、取引金融機関から口座開設の際に届いた書類に記載してある相談窓口の電話番号から電話をして確かめるとよいでしょう。
また、先に警視庁特設ページについても書きましたが、その他「フィッシング対策協議会」などにフィッシング犯罪の情報や相談窓口があります。フィッシング犯罪を知る上でも、是非一度チェックすることをおすすめします。
自分の資産は自分で守る、その上でできることはしっかりとやっておき、リスクを最小限にするよう心がけましょう。
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