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ウナギ価格高騰で「○○の蒲焼き」ブームが来る!? 

食品衛生法でレバ刺しの販売・提供が禁止された2012年夏は、コンニャクなどを使った“レバ刺し代替食品”が発売され人気を集めた。今、そうした代替需要が高まっているのが、価格高騰で客離れが起こっているといわれるウナギの蒲焼き。2012年からアナゴやサンマ、豚バラ肉やナスなど、さまざまな代替食品の蒲焼きが発売されている。

【詳細画像または表】

そんななか、丸大食品が2013年7月8日、鶏肉をウナギの蒲焼きのような形状に仕上げた国内初となる新商品「鶏肉の蒲焼き」を発売した。 

水産庁の調査によると、2012年のウナギ稚魚の取引価格は1キロあたり約215万円と、2006年の約8倍という記録的な高値を記録。2013年はニホンウナギ稚魚の仕入れ量が2012年より21%も減少し、取引価格は約248万円とさらに高騰している。スーパーなどで売られているウナギは現在、1人前(1串/70~100g)がPB製品で1パック1000円前後、一般製品なら1500円前後、専門店の国産ウナギだと2000円以上する。家族全員で食べるとなると、かなりの出費だ。需要が高まる土用の丑の日(2013年は7月22日、8月3日)を控え、スーパーなどの売り場では別の食材を使った手ごろな“ウナギ代替品”ニーズが高まっている。

丸大食品ではウナギの稚魚不漁による高騰が見え始めた4年前から代替品の開発に着手。「『丑の日には家族で蒲焼きを食べたい』という願いを叶えたいという思いから、発売にこぎつけた。新たな形の蒲焼きのひとつとして提案し、土用の丑の日を盛り上げたい。お客様の反応を見て好評であれば、通年で販売していきたい」(丸大食品 マーケティング部 商品企画一課課長 藤本博章氏)という。

1人前(100g)380円という価格はたしかに魅力だが、気になるのはその中身と味。どこまでウナギの蒲焼きに迫っているのか。

“ウナギの蒲焼き代替食品”最大の難関は「柔らかさ」!?

丸大食品が商品開発に着手したのは4年前の2009年。「土用の丑の日に需要が高まるウナギの蒲焼きに似た商品を加工肉で作れば需要があるのではないか」との発想から開発がスタートした。目標としたのは「ウナギの蒲焼きを食べているようなイメージでおいしい商品であること」「ウナギよりも価格がリーズナブルであること」「魚嫌いの人や幅広い年代に好まれる味であること」の3点だった。

ウナギの蒲焼きで重要なのは、あの独特の形状と柔らかさ。同社は苦心の末、カットした肉を特殊な刃をつけたノズルから押し出すことでウナギを開いたような形状にする技術を開発し、特許を出願した。しかし形状はクリアできたものの、ウナギのような柔らかさを出すことは予想以上に困難だった。主原料を豚肉から鶏肉に変更し、さらに脂などを加えるなどして柔らかさを追求。しかし、あまりの困難さに一時、開発が暗礁に乗り上げたという。

そんななか、2012年に入ってウナギの価格はさらに高騰。「今こそ商品価値を見出せる」と商品化に再チャレンジ。形状・厚み・食感でのバランス調整、味付け、添付たれの調整を重ねた。一方、一部の小売店で「豚の蒲焼き」など代替品の事例があることが分かり、市場性があることも確認。2012年8月に製法特許を取得し、発売を決定した。試食調査では「ウナギと全く同じではないが、柔らかさ、見た目はウナギそのもの」という声が多かったという。

代替品であることを言わずに、家族に食べさせたところ……!?

パックされた製品を実際に見ると、形も照りもウナギの蒲焼きにかなり近く、期待が高まった。作り方は、袋から蒲焼きだけを出して皿に置いてラップをかけ、電子レンジ(500W)で約90秒加熱するだけ。あとはカットして付属のたれをかければ完成だ。

ウナギの蒲焼きが大好物の家人に説明抜きで食べさせてみた。見た瞬間、「今日はウナギの蒲焼き!?」と大喜びだったが、箸で触ってみて「ちょっと違う。これは何の蒲焼き?」と不審げ。さらにひと口食べて「ウナギじゃない……でも魚だよね。何の魚だろう?」と首をひねっていた。どうやら、肉だとは気がつかない様子。「鶏肉」と教えると納得したように膝を叩き、「ウナギではないけど、これはこれでおいしい」とペロリとたいらげた。

結論からいうと、ウナギの蒲焼きそのものの味を期待して食べると、かなり違うと思う。決定的な違いは、脂ののったウナギの蒲焼き特有の箸で押すとにじみ出るような脂が感じられないこと。鶏肉なので、ウナギに比べるとどうしてもさっぱりしているのだ。では普通の鶏肉の照り焼きかというと、それとはまるで違う。チキンナゲットをさらに柔らかくしたような食感で、どちらかというと白身の魚に近い感じ。たれの味は蒲焼きそのもので魚や肉嫌いの子供に好まれそうだし、歯が弱ったお年寄りにも食べやすいだろう。

そもそもウナギの価格が高騰している理由のひとつに、日本国内の需要拡大による乱獲がある。環境省が2013年2月1日に発表した「第4次レッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)」ではニホンウナギは、絶滅危惧IB類(近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)に分類されている。水産庁でも2012年にウナギの安定供給のための「緊急対策」の1つにウナギ漁獲抑制などによる生息環境の改善を挙げている。もし同商品をきっかけにウナギ蒲焼き代替食品人気が高まれば、ウナギの生態を守りつつ、価格を安定させる手段の1つになるかもしれない。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130719-01050841-trendy-ind

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130719-01050841-trendy-ind&p=2

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