体から尿酸を排出する働きに関係する遺伝子に変異がある男性は、20代以下でも痛風を発症するリスクが最大約22倍高まることを防衛医科大や東京大、東京薬科大などのチームが突き止め、英科学誌に発表した。
防衛医大の松尾洋孝講師は「痛風は『ぜいたく病』といわれるが、遺伝子の影響も大きい。遺伝子検査でリスクの高い人が分かれば予防につながる」としている。
痛風は血中の尿酸濃度が高まって発症し、激しい関節痛を起こす。チームは尿酸を腸から体外に出すのに関わる遺伝子「ABCG2」に着目。この遺伝子は日本人の約半数で変異があるとみられ、変異の度合いと病気の関係を調べた。
痛風の男性705人と健康な男性1887人を調査。複数の変異があり遺伝子の働きが大幅に落ちている人は、変異のない人と比べ、20代以下で発症するリスクが22.2倍高いとの結果になった。日本人の1%程度が該当するという。
患者のうち、遺伝子の働きが大幅に落ちている人は平均38.2歳で発症し、変異のない人より6.5歳若かった。ABCG2遺伝子の変異に関しては、既に民間で検査事業が始まっており、医療機関などを通じて検査可能という。
http://sankei.jp.msn.com/science/news/130624/scn13062408290001-n1.htm