留守中に自動で部屋を掃除してくれることから人気の無線付き掃除ロボット「ルンバ」。正規輸入品のほか、正規品より安価な並行輸入品がインターネット上で安く販売されている。しかし、並行輸入品の中には消防や携帯無線に影響を与えないことを証明する「技適マーク」のない商品が多い。総務省は「違法な電波を発する商品を使用すると、法律上、販売者ではなく使用者が電波法違反に問われる」と注意を呼び掛けている。
ルンバの並行輸入品を扱う東京都中野区のネットショップは、独自保証を付けて販売。技適マークは付いていないが、担当者は「電波が微弱なので問題はない。電波法違反かどうかはグレーゾーン」。無線付きのルンバを販売している港区のネットショップも「ルンバは赤外線通信。無線ではないので電波法違反にはならない」と、事実に反した説明をする。
ルンバを製造する米アイロボット社の日本総代理店「セールス・オンデマンド」(東京)によると、同社が輸入している無線付きルンバの全機種が総務省の定める基準を上回る電波を発している。このため商品シリーズのうち、570▽570J▽577▽577J▽780-の5機種で、技適マークを取得し、マークを製品に記載している。一方、並行輸入品にはマークのない製品が多く、この5機種以外にも、790▽560▽550-などのタイプも販売されている。
消費者の中にはこうしたことを知らずに購入するケースも多いとみられ、同省の担当者は「海外仕様のお掃除ロボットは日本よりも住宅環境が広いため、より広範囲に電波を発する可能性がある。必ず技適マークの有無を確認して購入してほしい」と注意を呼び掛けている。
電波法に違反すると、使用者は1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる。しかし同法上、販売者を罪には問えない。
同省は「違法な電波を発すると知って販売した場合、警察当局が刑法上の幇助(ほうじょ)罪に問うた例もある」として、今年からアマゾンやヤフー、楽天などネット通販大手に、妨害事例のあった無線付き商品を販売しないよう指導を開始した。
同省によると、電波法をめぐっては北海道で今年1月、FMトランスミッターを使い、消防用無線が妨害されたなどの事例があったという。(村島有紀)
産経新聞
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/education/snk20130616069.html