「おしゃれは足元から」といわれるように、くたびれたり汚れたりした靴は、すてきな服を台無しにする。面倒でも普段から靴のお手入れはしておきたい。特に梅雨の時期は雨にぬれた後のケアも重要だ。(竹岡伸晃)
◆週1回は必須
靴のお手入れに必要な道具は、いずれも靴の専門店や量販店などで購入できる。仕事の際などに多くの人が履く革靴のお手入れ方法は-。
革靴は履いているうちに傷が付いたり、太陽光などで色あせたりしがちだ。靴クリームメーカー、コロンブス(東京都台東区)で商品の研究・開発を担当する高橋晃一さんは「革靴を購入したら、履く前にまず靴クリームを塗っておくのがお勧め」と話す。表面に薄い保護膜ができ、傷や汚れが付きにくくなるという。履き始めた後も週に1回程度はお手入れした方がいい。
一般的な手入れの手順は次の通り。
(1)靴の中にシューキーパーを入れて形を整え、靴ひもなどの「飾り物」は外す。ブラシを使い、表面に付着したほこりや泥などの汚れを落とす。靴底の縁周りや足の甲部分のしわなどは汚れがたまりやすいため、特に念入りにブラッシングする。
(2)クリーナーを布に適量取り、靴の表面を軽くぬぐう。汚れや古くなった靴クリームを落とすために必要な作業で、「新しい靴クリームがうまく塗れるようになる」(高橋さん)。クリーナーは「お手入れ3回につき1回程度使うのが目安」だ。
(3)靴クリームを使って靴を磨く。使用量の目安は片足でコーヒー豆1粒分(約1グラム)。これを布に取って全体に塗り伸ばした後、手のひら全体で靴を包み込むように布を持ち、素早く動かして空拭きする。色落ちしている場所には多めに塗って色を補う。
※クリーナーや靴クリームを使う際は、素材によってシミになったり色落ちしたりする可能性があるため、靴の目立たない場所で一度試してから全体に塗る。
(4)最後に全体を軽くブラッシングして、表面に残った余分な靴クリームを取り除く。
◆慣れれば簡単
梅雨時は革靴が雨にぬれるケースも多い。ぬれた革靴は型崩れしやすく、そのまま乾燥させると硬くなって靴を傷める原因となる。このため、「帰宅後すぐにケアすることが重要」(高橋さん)だ。
具体的には、(1)表面の水分を布で拭き取り(2)専用の乾燥剤を靴の中に入れ(3)風通しの良い場所で陰干しをする。これらを行ったうえで、十分乾燥したら通常のお手入れをする。革が変形したり傷んだりするため、ドライヤーやストーブなどの熱で乾かすのは厳禁だ。
カビの増殖を防ぐため、靴の保管方法にも気を使いたい。一日中履いた靴は中に汗がこもっているため、乾燥剤を入れて陰干しする。消臭スプレーなどを使って靴の中を除菌するのも有効。長期間履かない場合は、げた箱に入れっぱなしにせず、月1回程度は外に出して風通しの良い場所で陰干しする。
高橋さんは「十分手入れをしながら履けば革靴は長持ちする。慣れると決して難しくないので挑戦してみては」と話している。同社消費者相談室(フリーダイヤル0120・03・7830)でも靴のお手入れの相談に応じている。
≪靴のお手入れに必要な主な道具≫
(1)豚毛ブラシ=濃色の靴、淡色の靴で使い分ける
(2)クリーナー=3回に1回程度使用
(3)靴クリーム=靴と同系統の色や無色のものを用意
(4)防水スプレー=スエードやヌメ革など耐水性に劣る素材に使用
(5)柔らかい布=「磨きクロス」などの名称で販売しているが、着古した綿のTシャツなどでも代用できる
(6)シューキーパー=プラスチック製や木製のものがある
産経新聞
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/medical/snk20130615556.html