咽頭結膜熱の患者報告数が、5月27日―6月2日の週は全国約3000か所の小児科定点医療機関当たり0.7人で、4週連続で増加していることが14日、国立感染症研究所感染症疫学センターのまとめで分かった。過去10年の同じ週では2番目の水準だった。プールを介した感染も多いことから、患者が増加傾向にある自治体では、夏場のプール利用を前に警戒を強めている。
咽頭結膜熱は、アデノウイルスによる急性ウイルス性感染症で、のどの炎症や発熱、結膜炎の症状が出る。プールでの感染も多いことから「プール熱」とも呼ばれ、主に夏場に流行する。感染経路は主に接触感染や飛沫感染だが、タオルやドアの取っ手、エレベーターのボタンなど患者が触れたものを介してうつり、保育園、幼稚園、小学校などで小児の集団発生も少なくない。
定点当たり報告数を都道府県別に見ると、佐賀の2.43人が最多で、以下は鹿児島(1.47人)、宮崎(1.42人)、福岡(1.38人)などと続いており、九州で多かった。
2週連続で高い値が出た静岡県は13日から、ホームページに「危機管理情報」として掲載を始めた。5歳以下が全体の6割を占めていることなどの症状の説明のほか、予防方法として、▽手洗いやうがいを徹底する▽接触感染を避けるためタオルなどの共有を避ける―などを挙げ、「プールを介しての感染防止には水泳前後のシャワーも有効」としている。【新井哉】
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