世界最高齢の116歳で京都府在住の木村次郎右衛門さんが12日に死去したことを受け、国内の男性最高齢となった三条市の111歳、五十嵐(いからし)丈吉さん。同日、入所する同市塚野目の特別養護老人ホーム「つかのめの里」で、報道陣の前に車いすで姿を見せた。本人は終始眠っていたため、取材には家族が応じ、長男の平一郎さん(82)は「父は豆腐でも何でも酢をいっぱいかけて食べていた。それが長寿につながったのかもしれない」と語った。
同日朝、厚生労働省から県や市、同ホームを通じ、平一郎さん宅に「五十嵐さんが国内最高齢になった」と連絡が入った。平一郎さんの妻、セツさん(80)は「具合が悪くなったのかと心配したが、(違って)ほっとした」と苦笑した。
五十嵐さんは明治35年1月26日に三条市西中で6人きょうだいの長男として生まれた。地元の小学校を卒業後、家業の稲作で生計をたててきた。病気がちだった妻のミテさん(40年前に68歳で死去)や、孫の面倒をみるため50代で隠居。酒やたばこはたしなまず、趣味の菊づくりに励み、左大腿(だいたい)部を骨折する91歳までは自宅庭の松の木に登り、枝にはさみを入れていたという。きょうだいには先立たれたが、子供4人、孫11人、ひ孫22人、玄孫1人に恵まれた。
平成20年、同ホームに入所。110歳の誕生日には万歳するなど元気だったが、最近は食欲が落ち、流動食をとることが多いという。
この日朝、同ホームの村山裕子施設長(52)が国内男性最高齢になったと本人に告げたときも目を閉じたまま。ところが午後、職員が「若い女性(記者ら)が来ている」と声をかけると一瞬目を開け、周囲が華やぐ場面も。日によって「おはよう」などと応じることもあるという。セツさんは「110歳のとき、『125歳まで生きる』と話していた」と前向きな義父を誇らしげに見つめた。
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