子宮頸(けい)がんワクチンの重篤な副作用被害が3月末までに878件報告されているのに、被害を救済する医薬品医療機器総合機構(PMDA)への救済申請が20件しかないことが10日、分かった。制度の認知度不足が理由とみられ、PMDAや厚生労働省は「重篤な副作用が出た人は、市区町村を通じて相談してほしい」と呼びかけている。
PMDAは、医薬品や任意接種のワクチンの副作用で死亡や入院のような健康被害が出た場合、一時金や医療費を給付する被害救済制度を設けている。
子宮頸がんワクチンは2009年12月に発売を開始、今年3月末までに推計約328万人が任意接種を受けた。重篤な副作用が製薬会社と医療機関から計878件報告されているが、PMDAが調べたところ、4月末までに一時金などの給付金の申請が20件しかなかった。うち12件は給付が決まり、2件は「判定不能」などとして不支給に。残り6件は調査中という。
PMDAは他の任意接種ワクチンについては、申請段階の件数を集計していない。だが、今年3月にインターネットで20歳以上の男女3114人に実施したアンケートでは、制度を「知っている」は約5%、「名前は聞いたことがある」も約15%しかいなかった。
他のワクチンについても被害者の多くが給付金を申請していない可能性があり、PMDA健康被害救済部は「制度のアピール不足を痛感する」と反省しきりだ。
子宮頸がんワクチンは4月1日から定期接種になり、同日以降の接種の副作用は国の制度で救済される。
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/medical/20130611k0000m040070000c.html