◇地場野菜に関心、児童に変化
舞鶴市立新舞鶴小学校(坪内秀行校長)は、地元産の食材を使った学校給食や米作りなど、各学年でテーマを設定し通年で食育に取り組んでいる。
JR東舞鶴駅近くの市街地にあり、北は舞鶴湾に面し南は田畑が広がる農業地域。児童数710人で、舞鶴では最大規模だ。
給食は校内で調理。栄養教諭が舞鶴で最初に配属されるなど、元々給食に力を入れてきた。「栽培した野菜を孫の給食に」という農家の声を受け、06年度から校区内で生産された野菜を市やJAと連携して学校給食に導入。猛暑で野菜の出来が悪かった昨夏も校区内の農家約10軒が最優先で学校に玉ネギや大根、里芋などを新鮮な野菜を納入してくれた。
中庭の約150平方メートルの学校菜園では地元特産の万願寺甘とう、理科の授業に合わせて大豆やひょうたんなど各学年それぞれ農作物を栽培する。校区内で約3アールの田を借り農家の指導で、「新舞米(しんまいまい)」も作る。「食育」は理科や社会、保健体育などにまたがるため、総合学習の時間などを利用し、他の教科と絡めながら年間約70時間を充てている。
農家の人と土に触れることで、地場野菜に関心を持つようになり、「以前は給食の食べ残しが目立ったが、今ではほとんど見られない」と松本千晶栄養教諭は児童の変化を話す。
こうした取り組みを「食育だより」にして年5、6回発行。保護者には「食に関する話題が増え、家族で朝ご飯をしっかり食べるようになった」と好評だ。昨年は住民を対象とした食育の講演会も実施した。
今年は6年生が舞鶴産食材を利用したアイデア料理を考案。特産品のチクワを使った「肉じゃが」ならぬ「チクじゃが」が学校給食に登場した。坪内校長は「食育は知育、徳育、体育の基礎。子どもたちの未来のために今後も継続して取り組んでいきたい」と語る。
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