がんになった場合に心配なこととして「治療費(経済的負担)」を挙げた人が72%と最多で、「死」の56%を上回ることが調査会社「日本能率協会総合研究所」(東京都)のアンケートで分かった。 がんは治る病気と考える人も4割強に上った。 同社は「新聞など報道によって、治療の進歩から『がん=死』では必ずしもないという理解や、治療に伴う大きな経済的負担に苦しむがん患者の問題が、広く知られるようになったため」と分析している。
調査は全国の20~69歳の男女計1000人を対象に、昨年12月21日から1週間かけてインターネットで実施。 6割強が健康状態は悪くないと答えた。
がんになった場合に心配することを複数回答で尋ねたところ、治療費(経済的負担)が72.3%で最多。 ▽死(55.5%)▽痛み(53.3%)▽家族(45.9%)--などが続いた。 就労(失職)も20.9%いた。
がんになった場合の対応を複数回答で尋ねると、「かかりつけの医師・担当医がすすめる治療を受ける」が44.1%でトップ。 ▽自分で良いと思う治療を受ける(41.5%)▽費用がかかっても先端治療を受ける(18.7%)--なども目立った。
また、将来がんになる可能性について、「非常にあると思う」が17.5%、「ややあると思う」が37.8%で、半数を超える人ががんになる可能性を感じていた。 さらに、がんは治る病気と思うか尋ねたところ、「非常にそう思う」が5.3%、「ややそう思う」が38.8%で、全体では4割強ががんは治る病気と考えていた。【河内敏康】
http://mainichi.jp/select/science/news/20110212k0000m040109000c.html-毎日jp