[ カテゴリー:医療 ]

早期発見しにくい「爪水虫」とは?

関東甲信では平年より10日早く到来した梅雨。人間にとっては気分が滅入りがちな時期ですが、カビにとっては繁殖の絶好の時期でもあります。一日中、革靴を履き続けるビジネスマンにとって、とりわけ気になるカビの被害といえば水虫があげられるかもしれません。

「高温多湿な梅雨のシーズンは水虫患者の最も増える時期です。水虫はカビの一種である白癬菌(はくせんきん)が、皮膚の角質層に棲み着き発症するのですが、この時期の靴の中は、湿度90%以上という、カビが繁殖する上で格好の巣となるんです。とりわけ梅雨には、水虫の中でも爪の中に白癬菌が侵入する『爪水虫』にかかる患者が増える傾向にあり、当院でも5月からすでに『爪水虫』の患者さんが新規で来られはじめています。女性の患者さんによく見られるのが、爪のデコレーションが原因になっているケースですね。爪と付け爪などデコレーションした部分の隙間に水分が溜まると、そこで水虫が繁殖しやすくなってしまうんです」(芳仁皮膚科医院・張 賢二先生)

水虫菌は皮膚で繁殖するだけではなく爪の中にまで忍び込むんですね。爪水虫にかかった場合、どのような症状を引き起こすのでしょうか?

「爪の層が薄くなることで剥けたり割れたり、異常に厚くなったりします。爪が黄色く濁るのも特徴的な症状です。さらに、通常の水虫と異なり、かゆみを感じにくいのも特徴ですね。皮膚表面にできる水虫と特徴が異なるため、患者さんがなかなか水虫と認識できないんです。そのため、悪化してから治療を始めることになり、結果的に治療期間が延びてしまうことが多くなります」(同)

水虫といえば、皮膚の“かゆみ”や“カサカサ・ジュクジュクした状態”というイメージを持っていましたが、部位によって症状が異なるんですね。

「そうなんです。しかも『爪水虫』は、他の部位の水虫に比べて治りにくいという特徴もあります。患部に塗り薬が浸透しにくいため、飲み薬を使用して治療するのですが、健康な爪に生え変わるまでに時間がかかるので、完治するまでに最低で6カ月、重症例だと1年以上かかってしまう場合もあります」(同)

では、「爪水虫」を予防するにはどんなことに気をつければよいのでしょう?

「基本的には通常の水虫の感染予防法と変わりません。水虫の感染率は、感染部位に菌がついてから24時間以上経つと急増するため、毎日家に帰ったらきちんと石けんで足を洗い、その後裸足のまま乾かすのが一番有効でシンプルな予防法です。爪の異常や違和感に気がついたら、すぐに皮膚科に見てもらいましょう」(同)

カビの格好の繁殖期である梅雨。しっかりケアして「爪水虫」のリスクを低減させましょうね。

(冨手公嘉/verb)
(R25編集部)

http://news.goo.ne.jp/article/r25/life/medical/r25-20130606-00030251.html

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