京都府が児童ポルノの画像や動画の「廃棄命令」を盛り込んだ児童ポルノ規制条例制定の方針を固めたことが4日、府への取材で分かった。有識者らによる検討会議が月内にも最終案をまとめ、府はこれに沿って11年度内の制定を目指す。児童ポルノを規制する条例は準備中を含め複数府県にあるが、廃棄命令付きは全国で初めてとなる。
府によると、廃棄命令は18歳未満の性交または類似行為などが写った児童ポルノが対象。主に府警の捜査などによって把握した画像や動画の譲渡先に府が命じ、従わなければ刑事罰が科される。被写体が13歳未満の場合、有償で譲り受けたことが確認されれば命令なしでの罰則適用も検討している。
児童買春・児童ポルノ禁止法は、提供目的ではない単純な所持は処罰の対象外。関係者によると、単純所持に罰則適用できる条例を持つ県もあるが、データが一方的に送りつけられるなどすれば冤罪(えんざい)となる恐れもあり、慎重な運用を余儀なくされているという。
このため京都府は、罰則適用の前段階で強制力が低い廃棄命令を設けて実効性を高めることにした。
京都府青少年課は「製造元を摘発してもインターネット上で拡散する児童ポルノが消えるわけではない。廃棄命令を条例に盛り込み、できるだけ多くの被害者の人権を守ることに努めたい」と話している。
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