トキの分散飼育が予定されている長岡市で26日、環境省のトキ飼育繁殖専門家会合(座長、小宮輝之・上野動物園長)が開かれ、委員らは同市内に建設中のトキ分散飼育センター(仮称)を視察した。今秋にも、佐渡市の佐渡トキ保護センターのトキ4羽(2ペア)を移す方針が示された。
同センターは鉄骨平屋建て約1200平方メートル。繁殖・飼育ケージ、ふ化室などを備えており、3月中に完成する予定。テンなどの天敵からトキを守るため、ケージの周囲はコンクリート壁に金網、電気柵も設置されており、委員らは熱心に施設の整備状況を確認した。小宮座長は「安心できる施設になった。次の繁殖期に間に合うようにしたいので、早ければ秋にもトキを移送することになると思う」と述べた。
視察後の会合では、放鳥したトキのふんを採取して鳥インフルエンザの調査をすべきだなどの意見が出た。
また、今月22日にトキ4羽が移送された島根県出雲市の分散飼育センターの職員が状況を報告。佐渡市からはトキを一般公開する大型ケージを整備する方針が説明された。
分散飼育は、鳥インフルエンザなどの感染症によりトキが全滅するのを防ぐための措置で、これまでに多摩動物公園(東京都)、いしかわ動物園(石川県)、出雲市の3カ所で行われている。
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