今春のスギ・ヒノキの花粉の総飛散量は昨年の猛暑の影響で例年と比べ、東海や近畿地方で10倍以上と予測される。既に花粉症対策の商品も相次いで発売され、市場は活況。シーズンに備え、自分の体質をよく知り、自分に合った対策が必要だ。(織田淳嗣)
今年の「花粉症」、昨年の10倍になる…
“悲惨”量10倍「花粉症商戦」が早く…
◆健康食品は慎重に
小田急百貨店新宿店(東京都新宿区)では花粉症対策のグッズ売り場を例年より1カ月前倒しし、昨年12月1日に開設した。渡辺智子マネジャーは「すぐに客が増えたということはないが、啓発につながった。シーズンはこれから」と意気込む。
花粉から身を守ることは対策の基本。同店では従来のグッズに加え、花粉のつきにくいポリエステル製の帽子や上着を使ったトータルファッションでの予防を勧めている。
予防医療製品の「ワイ’ズ」(豊島区)では、顔にスプレーするタイプの化粧水「ポレノン」を販売。含有のペクチンが花粉の表面を覆い、DNAが花粉を集めて除去する仕組みで、通販サイトで人気を呼んでいる。
花粉症対策の健康食品も販売されている。しかし、国立健康・栄養研究所(新宿区)の情報センターは「薬と思って使う人が多いが間違い。中には思わぬ症状が出るものもある」と警告する。
花粉症治療の一つに、アレルゲンを少しずつ投与し、徐々に増やし過敏な反応を減らす「減感作療法」がある。こうした効果をうたったものもあるが、平成19年に和歌山県で、40代の女性がスギ花粉入りの健康食品を摂取後、アレルギー反応で意識不明となる事故が起きた。情報センターでは、健康食品を安易には選ばないよう呼びかけている。
◆目の症状、眼科で
梶田眼科(港区)の梶田雅義院長によると、抗アレルギー剤は花粉が飛散する2週間ほど前から、投与し続けるのが効果的という。目にかゆみが出てきたら、抗炎症剤(ステロイド)入りの点眼薬が必要になる。ステロイドは人によっては眼圧が上がり、緑内障を発症する恐れがある。
多くの耳鼻科では眼圧の測定ができないため、こうした点眼薬は耳鼻科で処方されることは少ない。症状に合わせた受診が必要だ。
コンタクトレンズを使用する場合、花粉がこびりついて症状が長引く可能性もあり、「1日で使い捨てができるレンズが望ましい」(梶田院長)という。通常のレンズを使う場合は洗浄の際、洗浄液に入れてよく振ってから、丁寧なこすり洗いが重要だ。
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