環境省は24日、3月の放鳥に向けて佐渡トキ保護センター(新潟県)で順化訓練中のトキ19羽のうち、ビタミンが欠乏した4歳の雄と、右の翼を骨折した1歳の雌の計2羽を治療のために捕獲、収容したと発表した。
同省によると、4歳の雄は22日以降、首振りなどの不自然な行動をしたり、池に落ちて一時溺れたりした。エサのドジョウの食べ過ぎで、ビタミン不足に陥ったらしい。
淡水魚にはビタミンB1を破壊する酵素が含まれ、偏食すると飛行や歩行に障害を起こすことがあるという。12日に0歳の雄が同じような症状を示して収容。ビタミン剤を注射して元気になり、6日後に訓練再開した。
1歳の雌は22日から飛ばなくなり、翼が地面に触れるほど垂れ下がっていた。飛行中にケージなどに衝突して骨折したとみられ、捕獲後にテーピングで翼を固定した。
環境省は応急措置として、訓練中の残る17羽にビタミンBを混ぜた人工飼料を今後約1週間、与えて様子を見る。
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011012401000689.html