東京電力柏崎刈羽原子力発電所(柏崎市、刈羽村)が2007年の中越沖地震の際、設計時の想定を超える揺れに襲われたことを踏まえた、同原発の停止機能実験が21日、大手原発メーカー・東芝の神奈川県内の施設で始まった。 試験は2月中旬まで続き、結果は同原発の安全性を検証する県技術委員会に報告したいとしている。
実験は、緊急時に原子炉に挿入され核分裂を抑える「制御棒」と呼ばれる装置が、中越沖地震を上回る揺れの中でも確実に挿入されるか、原子炉を模した装置を起震台で揺らして試し、真の安全限界を探るもの。
東電と東芝が共同で実施する。
柏崎刈羽原発の安全性を検証する議論の中で、県技術委が、「地震時は、制御棒の挿入スペースを取り囲む核燃料にたわみが生じ、制御棒が入りにくくなる恐れがある」と指摘。 たわみ方のバラつきまで再現し、設計に対してどの程度の余裕があるか確かめるよう、求めていた。
実験では、大きな揺れの中での制御棒挿入に要する時間などを測定する。 21日は、制御棒を載せる試験装置を用意するなどの準備作業を行った。
東電は中越沖地震を受け、柏崎刈羽原発が建つ岩盤で想定される揺れの強さを、同地震の2・7~5・1倍に引き上げ、耐震補強を進めている。
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