地震の際に起こる「液状化」現象。埋め立て地や河川跡で多く起こるといわれますが、その被害に遭った建築物は回復が困難です。液状化現象について不動産デベロッパーに話を聞きました。
■液状化現象の被害は回復が困難
――地震によって液状化現象が起こって、その被害に遭う物件もあるようですが。
そうですね。先日(4月13日)阪神地域で震度6弱の地震があった際に、校庭で液状化現象が起こっていましたね。
――東北地方太平洋沖地震の際には新浦安がずいぶん液状化の被害を受けたということですが、今でも被害のつめ跡は残っているのでしょうか。
新浦安地区は液状化の被害がひどく、2/3ほどの地域が液状化の影響を受けたといわれます。9,000軒以上の建物で被害があったとのことです。現在も液状化被害のつめ跡を街の中で見ることができます。
――液状化被害を修復するのは難しいのでしょうか?
難しいですね。地面、地盤の話ですので修復するのはとても難しいです。基礎工事を再度やり直してということになるので、もう建て直しですよね。国のレベルで対処しないといけない話だと思います。
大変難しいことですので、2013年から「浦安市復興交付金事業計画」が策定されたようです。
■被害を受けなかったケースも
――液状化の被害について知ると、埋め立て地に家を建てるのは危険では?と思ってしまうのですが。
いえ一概にそうは言えません。例えば、葛西地区もやはり埋め立て地で、東北地方太平洋沖地震の際には新浦安と同様に揺れましたが、大きな液状化の被害はなかったんですよ。
――その差はどこから生じるのでしょうか?
地盤改良工事の部分の差ではないでしょうか。よくいわれる例ですが、東京ディズニーランドは園内ではほとんど被害はありませんでした。液状化の被害を受けたのは主に駐車場でした。やはり園内の地盤改良工事をしっかり行っていたのですぐに再オープンができています。
――建築許可が出ているので法的なハードルをクリアしているかどうかではないわけですね。
はい。もちろん液状化の被害を受けた物件も建築基準は当然クリアしています。それでも差が出るんです。施工業者の「意識」の差といってもいいですね。
――それはコストに反映されるのではないですか?
もちろんそういう面もあります。でも、万が一住めなくなることを考えれば大事なことではないでしょうか。
■大規模開発の場合は基礎工事もしっかり
――湾岸に建築されている高層マンションなどは大丈夫なのでしょうか。
免震構造がしっかりしていますし、また大規模なマンション開発になればなるほど基礎工事はしっかり行います。実際、東北地方太平洋沖地震の際にも湾岸の高層マンションはほとんど被害を受けませんでしたね。
もちろん一時的にエレベーターが止まって、上り下りが大変とか、そういうことはあったようですが。
――なるほど。大規模な物件にはそういうメリットもあるんですね。
液状化の被害に遭わない家を建てるには、施工業者についてより注意深く選定する必要がありそうですね。
(高橋モータース@dcp)
マイナビウーマン
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