シュワッとした爽快な飲み心地の炭酸水は、ウイスキーを炭酸で割って作るハイボールがブームなのもあって、自宅の冷蔵庫に常備している人も増えているのでは? 実は飲料用としてだけではなく生活のいろいろな場面で役に立つのだとか。家事に関する著作が多いライターの藤原千秋さんに聞いてみた。
「炭酸水は掃除などで大活躍します。スプレー容器に炭酸水を入れ、窓やトイレの便器などに吹き付けた後に拭き掃除すると汚れがよく落ちます。また、さびた金属を浸したり、焦げ付いた鍋に入れたりして1時間ぐらい放置した後にこすり落とすとキレイに。さらに汚れのひどい衣類は炭酸水を薄めた水につけ置きしてから洗濯すると汚れが落ちやすくなりますよ」
そんなにたくさん使い道があるなんて驚き! ただし、味付きの炭酸飲料は汚れやさびなどを落とす効果は多少期待できるものの、糖分などによる悪影響の方が大きいそう。避けた方が無難だ。
「これらは炭酸水が弱酸性であることを利用した使い道です。気が抜けた炭酸水でも酸性の度合いはそれほど変わらないので、飲み残しのものでも同様の効果が期待できます」
さらに炭酸水は料理にも利用できるそう。意外にも日本料理で使うことも多いと、てんぷらと和食の店『てんぷら 荘司』の店主、荘司俊壹さんが教えてくれた。
「当店ではてんぷらの衣に使う小麦粉を溶くのに水ではなく炭酸水を利用します。てんぷらは高温の油の中に水と小麦粉でできた衣をまとった食材を入れて火を通しますが、その際、衣の中の水が蒸発することでカラリと揚がる仕組み。炭酸水は炭酸の気泡が含まれており、この泡のおかげで水が蒸発しやすくなっているようですね。普通の水で同じ時間揚げた場合と比較しましたが、よりサクッとした軽い揚げ上がりになるんですよ」
ふむふむおいしそう! 炭酸が強すぎると衣がパリパリと固くなるため、家庭では市販の炭酸水と水をだいたい1:1で割って使うとよいそう。
「ほかに豚の角煮やタコの柔らか煮、煮豆などを作る際に炭酸飲料を煮汁に入れるとトロッと柔らかくなります。炭酸飲料に含まれる炭酸水素ナトリウムに、豚やタコなどの肉のタンパク質を分解する効果があるためと考えられます。特に角煮などは甘味料が入っている炭酸飲料を使えば甘みも付けられるので一石二鳥ですね」
そういえば冷蔵庫に気が抜けたのが何本か…。さっそく活用してみたいと思います!
(佐藤太志/GRINGO&Co.)
R25
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