夏の運動時は特に水分補給に気をつけたい。筋肉に大量の熱が発生し、熱中症の危険が高くなるからだ。
激しい運動の場合、短い時間でも、気温が高くなくても油断はできない。
運動時、実は体の水分が失われても、のどの渇きはすぐには起こらず、水分不足になりやすい。
ただし、取りすぎもよくない。マラソンなど長時間の競技で取りすぎると血液中のナトリウムの濃度が低下する「水中毒」が起きる。体内の水分が過剰な状態で、重篤な場合、肺水腫などを起こす。実際のレースで死亡例もある。
ではどのくらい水分をとればよいのか。日本体育協会(東京都渋谷区)スポーツ医・科学専門委員会は「体からの水分の減少が体重の2%を超えないように水分を補給してほしい」という。例えば、体重60キロの人なら、水分の減少が1・2リットルに達しないように、水をこまめに補給していく必要がある。
お勧めは、運動前後の体重測定。体重の減少が2%以内に収まっていれば、水分補給の仕方に問題はないと考えられる。
同協会は競技ごとに水分補給の目安を示している。サッカーなどでは競技前に250~500ミリ・リットル、競技中は500~1000ミリ・リットルの水分補給が求められるという。コップ1杯(200ミリ・リットル)程度ずつ取るとよい。汗で塩分も失われるため、0・1~0・2%程度の食塩も混ぜる。
同協会スポーツ科学研究室の伊藤静夫さんは「ただ、これはあくまで目安。大切なことは、運動中に水分をとりたい時にとれる環境を用意することです」と話す。
読売新聞
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