もうすぐ節電の夏。熱中症対策の柱は汗で失われる水分の補給だ。
汗をかくと、体からは水分だけでなく、塩の成分となるナトリウムなどミネラルも失われる。その際に真水だけ飲むと、これらの濃度が低下し、吐き気や筋肉のこむらがえりなどが起きることがある。
水分とともに塩分や糖分を補給するにはスポーツドリンクが有効だが、毎回購入すると費用もばかにならない。神奈川県立保健福祉大(同県横須賀市)教授の谷口英喜ひできさんは「似た成分で、さらに水分補給に優れた飲みものを自分で作ることもできます」と自家製の経口補水液作りを勧める。
作り方は、1000ミリ・リットルの水に、3グラム(小さじ2分の1杯)の食塩と、40グラム(大さじ4と2分の1杯)の砂糖を加える。粒子がなくなるまでよくかき混ぜる。
水は水道水でよい。ただ、塩素を除くため、1度沸騰させ、常温になるまで冷ます。その後、レモンやグレープフルーツの果汁を一搾り垂らす。味がよくなるだけでなく、筋肉の動きを助けるカリウムもとれるからだ。飲むときは冷蔵庫で冷やす。体温を下げられるほか、水を吸収する小腸に素早く届かせるためという。
経口補水液を水代わりに毎日、習慣的に飲むのはかえって体に悪い。塩分や糖分のとりすぎは、高血圧など生活習慣病につながるためだ。夏場に暑さで食欲が落ちた時のほか、ジョギングや散歩などたくさん汗をかいた時だけでよい。
谷口さんは「一度に大量にとっても尿で排出されてしまう。コップ1杯(200ミリ・リットル)程度に分けて飲んでほしい」と話している。
読売新聞
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