この冬の雪による死者はすでに45人に達し、「平成18年豪雪」以来の早さで増えていることが、総務省消防庁のまとめでわかった。 45人のうち、6割にあたる27人が65歳以上の高齢者。 1人で屋根の雪下ろしや除雪作業中に被害にあったケースが多いとみられる。
内閣府は21日、松本龍防災担当相も参加して緊急の関係省庁連絡会議を開催し、対策を協議する。 大雪被害による省庁連絡会議が開かれるのは、平成18年豪雪(2005年度)以来。 この時は戦後2番目に多い152人が死亡した。
消防庁によると、雪による死者は、06年度が12人、07年度が47人、08年度21人、09年度が56人。 今季は冬半ばで平均的な死者数に達している。
45人の都道府県別内訳は、北海道の12人が最多で、次いで新潟県8人、鳥取県5人。
45人のうち27人が65歳以上。 その死因の内訳は、屋根の雪下ろしや除雪作業中の事故が19人(約70%)、落雪による被害が5人(約19%)などだった。
防災科学技術研究所雪氷防災研究センター(新潟県長岡市)の山口悟・主任研究員は「この冬は、鳥取県のように普段それほど降らない場所にまとまって降っている。 特定地域への『集中豪雪』と言える。 雪下ろしは1人でやらず、命綱をつけるなどの対策をとってほしい」と話す。
2人が死亡した秋田県は18日、雪害警戒部を立ち上げた。 対策本部の一つ前の段階だが、5年ぶりの設置だ。 湯沢市の積雪は20日に137センチを観測し、1月としては観測史上最高となった。 平年の3倍超だ。 県の担当者は「気温が低く、解けない上にまた雪が降り、積雪を増やしている」と語る。
気象庁によると、偏西風の蛇行で、この冬は西日本を中心に寒気が入りやすくなっている。 今後2週間程度は気温が低い状態が続き、西日本を中心に大雪になる恐れがあるという。(大久保泰)
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