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「朝シャン」で毛髪にダメージ?

「水はダメージの主要因にはならない」–専門家に聞く、意外と知らない毛髪ダメージの要因と対策

ゴールデンウィークを過ぎ、全国的に日差しが強く暑い日が多くなってきた。日焼けを気にする人の中には、既に様々な紫外線対策をしている人も多いことだろう。近年は紫外線による様々な健康への影響も指摘されてきており、美容のためだけでなく健康を意識した紫外線対策も重要なのだ。

ただ、意外と見落としがちなのが、紫外線による毛髪への影響。一般的に紫外線対策と言えば肌を守るためにするイメージだが、毛髪へのダメージを意識した対策も必要なのだという。性別に関わらず日常生活で気を付けるべき毛髪へのダメージとその対策について、国際毛髪科学研究会 会長の井上 哲夫氏にお話を伺った。

●紫外線による毛髪へのダメージとその対策

その紫外線が毛髪に与える影響について、井上氏は「日照りが少なく日の光を多く吸収しなければならないヨーロッパの人々の多くがブロンドであるのとは対照的に、日照りが多い土地に暮らす日本人の毛髪は日の光から皮膚や毛髪を守ろうとするため黒い。この黒い髪はもともと紫外線の光を跳ね返す働きをもっているのだが、近年は紫外線が非常に強く、紫外線対策を意識しなければ毛髪が痛む原因になる」と説明する。

具体的には、強い紫外線が毛髪に当たり続けることによって、毛の組織を繋いでいるメラニンという組織が痛み、毛髪の健康が損なわれるのだという。また、紫外線は頭皮にまで到達し皮膚にダメージを与え、それが脱毛の原因にも繋がるのだそうだ。「毛髪用の紫外線対策グッズはまだ少なく、帽子や日傘などで紫外線そのものを浴びないよう物理的に対策するのが最も有効だ」(井上氏)。

●「水が髪へダメージ」は本当か

ちなみに、最近テレビなどで「水が髪にダメージを与える」という情報を見かけることが多いが、井上氏は「学術的には、“水が直接的にダメージを与える”という根拠になるような論文や発表はなく、またオフィシャルな文献も見当たらない」と疑問を投げかける。

井上氏によると、金属成分が髪に付着すると頭皮からはがれたタンパク質などを集めて、それが髪のごわつきの原因になってしまうほか、水に含まれるミネラル分も毛の風合いが悪くなる原因になると考えられてはいるが、これが髪のダメージの主要因にはならないという。「他のダメージ要因に比べたら、水によるダメージのリスクは雲泥の差で低い」と井上氏。水そのものによるダメージよりも、毎日のシャンプーやヘアスタイリングなどで生まれる毛髪へのダメージ要因に対して十分なケアをすることが重要のようである。

●「パーマ・ヘアカラー」と「髪の洗い方」が最大のダメージ原因

「毛髪がダメージを受ける」と一言でいうが、そのメカニズムとはどのようなものなのだろうか。いくつかの要因を挙げてもらったうえでその仕組みについて聞いた。井上氏によると、毛髪ダメージの最も大きな原因になるのが、「パーマ/ヘアカラー」と「シャンプー」なのだという。

「パーマやヘアカラーは化学薬品を使用し、毛髪の組織や構造を化学反応によって強制的に変化させたり、破壊したりすることによってクセや色をつける。その分、毛髪へのダメージは大きくなる」と井上氏。パーマは毛を横方向に傷つけるために枝毛になりやすく、またヘアカラーは縦に繋がっている毛の構造にダメージを与えるために切れ毛になりやすくなるのだそうだ。

●「シャンプー」の正しい使い方が、毛髪ダメージ対策になる

一方、「シャンプー」で気を付けたいのは、シャンプーそのものではなくその使用法だと井上氏は語る。つまり、髪の洗い方だ。

自分自身の洗髪を思い浮かべて欲しいが、一般的に髪を洗う際には髪の毛を擦って「ゴシゴシ」と洗う。この「ゴシゴシ」という音は、毛と毛がぶつかり合う際の摩擦で起きるもので、井上氏によるとこの摩擦が毛のキューティクルを傷つけ、剥離させてしまうのだそうだ。「この洗い方ではせっかくキレイにしようと毎日シャンプーをしても、やればやるほど髪を傷つけてしまうことになる」(井上氏)。

髪や頭皮をダメージから守るための洗い方としては、まずシャンプーで頭皮を揉み洗いすることで毛根に溜まった油や汚れを揉みだし、そして毛髪を洗う際には“手ぐし”でシャンプーの泡を毛髪全体に行きわたらせ、汚れを浮き上がらせるのが良いという。「強くこすらなくても、毛髪の汚れはシャンプーの泡で十分に浮き出る」。シャンプーの正しい使い方を実践するだけでも、十分に有効な毛髪・頭皮のケアになるのだ。

●整髪料やセットスプレーの毛髪への影響は?

ちなみに、男性も女性も使用者が多い「整髪料」はどうか。井上氏によると、整髪料そのものに髪にダメージを与える成分は含まれないが、整髪料の多くは油性であり、1日の終わりにしっかりと洗い流すことが重要なのだという。「整髪料の油は毛髪だけでなく頭皮にも付着しダメージの要因になる。髪だけに整髪料が付くように使い方を工夫し、夜には必ず洗い流すのが良い。いわゆる“朝シャン”は毛髪にも頭皮にもよくない」(井上氏)。

一方、女性に使用者が多いセットスプレーは、毛髪への影響が少なくないという。「セットスプレーの多くは、毛に樹脂の膜を作り、髪を落ち着かせる。その樹脂の膜には毛に含まれた水分を吸収する働きがあり、使用頻度が高いとすぐに“乾燥毛”になってしまう。乾燥毛は切れやすく、痛みやすいので注意が必要だ」と井上氏。ちなみに、セットスプレーを使用する際にはオイルスプレーを薄く毛髪に振りかけ、樹脂膜による水分の吸収を抑えるのが有効なのだそうだ。

●簡単にできる毛髪のダメージ対策

最後に、毛髪の健康を保つために、日常生活でできる対策を伺った。

井上氏によると、毛髪の健康のために重要なのは「食事」と「睡眠」なのだという。「現代人の食生活は毛髪の健康を保つために必要なミネラル分が不足しがち。外食や弁当に使っている野菜なども、洗いすぎるため水溶性のミネラル成分はすぐに溶けだしてしまう。意識してミネラル分を補給するべきだろう」と井上氏。海藻類や貝類、野菜であれば根菜を摂取することがミネラル補給になるのだという。

一方、睡眠に関しては皮膚や毛髪に最も栄養分が届き新陳代謝が促されるとされる夜10時から深夜2時までの間に、十分リラックスして睡眠がとれるといいのだそうだ。「“何時間寝た”よりも“何時に寝た”というのが重要。仕事が忙しい人もなるべく日付が変わる前に就寝してほしい」と井上氏は提言する。

実は、偏食や寝不足などから生じるストレスも、毛髪や頭皮にダメージを与える要因になるのだそうだ。生活リズムを改善して疲労の蓄積やストレスのない生活を送ることが、毛髪の健康にも大きな影響を与えるのである。

「現代社会は生活リズムが不規則になりがちで、それが多くの人のストレスの要因になる。もちろん、毛髪や頭皮の清潔を保つことが最も重要な毛髪ダメージ対策だが、食事や睡眠などの生活習慣の改善を意識してもらうことで、適切な毛髪ケアを心がけて欲しい」

http://news.goo.ne.jp/article/internetcom/trend/internetcom-20130524005.html

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