小中学生の運動能力を測る「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果が文部科学省からこのほど発表され、県内の小中学生は実技8種目のほとんどで全国平均を上回った。 子どもの体力向上については、地域の事情に合わせて独自の取り組みを実施する学校もある。
同調査は2010年で3年目。 今回から抽出調査となり、全体の約24%にあたる、小中学校計206校の小学5年と中学2年の児童生徒計1万1545人が対象となった。
種目は、握力、上体起こし、長座体前屈、反復横跳び、20メートルシャトルラン、50メートル走、立ち幅跳び、ボール投げの8種目。 県内の男子はいずれの学年とも全種目で全国平均を上回った。 女子もボール投げ以外の7種目が全国平均より上だった。
8種目の結果を10点満点に換算して足した「体力合計点」の全国順位は、小5男子が3位、小5女子が4位、中2男子が4位、中2女子が8位といずれも高水準だった。 ただ、合計点は初年度の2008年の調査よりも下がっており、全国平均との差が縮まりつつあるという。
■新潟小、5年前から歩数計導入
「3千歩だよ」「僕はまだ1200歩」。 朝、体育館に入ってきた児童らが腰や運動靴に着けた歩数計を、先生に見せていた。
新潟市立新潟小(新潟市中央区東大畑通1番町)では、1カ月に1週間、児童全員が歩数計を身に着けて、なるべくたくさん歩いたり走ったりするよう心がける取り組みを続けている。
始めたのは5年前。全国的に子どもの体力低下が叫ばれる中で、新潟随一の「都心」に住む同校の児童の運動不足は顕著だった。 校庭は野球ができないほど狭く、学校外でも放課後思い切り体を動かせるような場所は少ない。 体力テストの結果も、ほとんどの種目で県の平均を下回っていたという。
そこで始めたのが「体力向上プロジェクト」。 歩数計は市の支援事業などの予算で購入した。 月に1週間の「元気アップ週間」には、1日の歩数のほか、起床や就寝の時刻、運動の内容などをカードに書き込む。 学校で過ごす時間での運動量を増やすため、始業前には毎日、全校でマラソンをする。
同週間には、大縄跳びやダンスなど、体育委員の児童が企画した運動から自由に選んで取り組む。 このほか、体育の時間には学年に合わせてルールを変えた鬼ごっこを準備運動に取り入れるなど、授業にも工夫を加えた。
歩数の目標は、約30年前の小学生の全国平均とも言われる「1日2万歩」。 同校でもクリアできる子が増えてきた。 効果もすぐに表れた。 プロジェクト開始の翌年から、50メートル走と反復横跳びが飛躍的に伸びたという。(伊木緑)
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