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風疹、自治体の予防接種助成拡大 成人が脳炎に 男性も受けて

風疹の流行が止まらない。感染拡大を食い止めようと首都圏の自治体を中心に予防接種費用を補助する動きが広まっている。しかし、自治体によって対応が異なり、流行を抑える効果までは期待できそうにない。自治体からは国の助成を求める声も上がっている。(平沢裕子)

◆妊婦と夫が対象

国立感染症研究所によると、今年の風疹患者数は8日までで5964人と既に昨年1年間の2・5倍。約9割が成人で、20~40代男性が全体の約7割を占める。

成人男性が多いのは、子供の頃に風疹の予防接種を受けておらず、風疹の免疫を持たないまま大人になった人が多いためだ。

風疹の流行が問題なのは、免疫を十分に持たない妊娠初期の女性が感染すると、生まれてくる赤ちゃんに白内障や難聴、心疾患、発育不全など「先天性風疹症候群(CRS)」と呼ばれる障害が生ずる可能性があるためだ。例年は年間0~1人のCRSの赤ちゃんが、昨年は5人。今年も4月21日までに5人確認されている。

妊娠してからは予防接種を受けられない。妊婦への感染を防ぐためにも免疫のない人に予防接種をしてもらい、感染拡大を抑えることが大切だ。

東京都は3月から、妊娠を望む19歳以上の女性と妊婦の夫を対象に、区市町村負担分の半額の補助を開始した。

補助の目的は「CRSの子供が生まれないようにするため」(感染症対策課)で、想定人数は約3万人(約1億5千万円)。

都内62のうち61市区町村が助成を実施。千代田区は対象者を20~40代の区民全員と都の条件より広げ、費用も全額補助とした。約800人を想定していたが、今月中旬までに1200人が申し込んだ。

担当者は「区民の関心が予想以上に高かった。都の対象から外れる分は、区の負担となり、財政的に厳しいのも事実」と打ち明ける。

◆国は助成せず

一方、4月から助成実施の川崎市の場合、妊娠を望む23歳以上の女性▽23~39歳の男性▽妊娠中の女性の夫-が対象。自己負担2千円で、対象者の約30%が利用した場合、市の負担は3億7千万円になるという。市健康安全研究所の岡部信彦所長は「CRSの赤ちゃんが生まれるのを防ぐには、風疹の流行そのものを抑える必要がある。予算的には厳しいが、市民の健康のために市当局が理解してくれた」。

風疹の流行は全国的な問題だけに、自治体からは国に財政措置を求める声が上がっている。しかし、厚生労働省は「風疹感染者は東京など6都府県で85%と地域的な流行だ。他にも予防接種が必要な病気があり、財政的に難しい」とし、助成は行わない方針だ。

日本赤十字社医療センター元小児科部長の薗部友良医師は「今後の流行を抑えるためにも、本来は臨時接種という国の予算でワクチン接種を実施するのが望ましい。また、今回の流行では成人男性2人が脳炎になっている。妊婦への感染を防ぎ、赤ちゃんがCRSにならないのはもちろん、自分の健康のために、特に成人男性は受けるようにしてほしい」と話している。

◆成人の接種も小児科医に相談を

風疹のワクチンには、風疹だけを予防する「単独ワクチン」と、風疹と麻疹の両方を予防する「混合(MR)ワクチン」の2種類がある。費用は医療機関によって異なり、単独が4000~8000円、MRが7000~1万2000円。単独の方が安いが、生産量が少なくMRだけしかない医療機関もある。予防接種を行っているクリニックなら診療科にかかわらず接種が可能。最も詳しいのは小児科で、成人が接種する場合でも小児科医に相談するといい。

産経新聞
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/medical/snk20130522533.html

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