県警が昨年1年間に受け付けた110番通報は、前年と比べて9.8%、1万3208件増えて14万7696件を数え、1998年以降で最多となった。 緊急性のない110番通報が約1万件も増えており、県警は、不急の相談電話は「#(シャープ)9110」にかけるよう呼びかけている。
「終電が行ってしまったので家に帰れない。迎えに来て」「タクシーに乗りたいから、タクシーを呼んで」――。 驚くことに、県警の通信指令室には毎日のようにこんな110番がかかってくるという。
このほか道を尋ねたり、落とし物が届いていないか照会したりする緊急性のない110番通報(いたずらは除く)は昨年、3万6866件あり、前年より1万70件増えた。
一方、昨年は「点と線」になって容疑者の逮捕につながった110番もあった。 これは、もちろん歓迎される。
昨年5月21日、新潟市北区の酒屋で、透かしのない偽の千円札を使って商品を買った男が偽造通貨行使の疑いで緊急逮捕された事件だ。
最初の110番通報は、正午過ぎに入った。 「偽札のようなお札を使った客がいた」。同区松浜の商店からだった。 県警は、緊急配備を敷いた。 この後1時間以内に、同様の被害を訴える通報が次々に入った。
通報があった5カ所を結ぶと、同区松浜から、同区島見町、旧豊栄市中心部と、男の足取りが浮かび上がった。
最初の通報から約2時間後、男の乗った車を警察官が発見、緊急逮捕した。 捜査関係者は「110番通報のおかげで容疑者の動きが予測できた」と感謝している。
このほか昨年目立った110番通報は、交通事故に絡むものだ。 前年より3231件増え、4万481件あった。 増えた分の約半数は、昨年1~3月の大雪の影響で起きた事故に絡むものだったという。(富田洸平)
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