◇売れ行き好調で
JA全農県本部は、10年に収穫された県産コシヒカリの卸売価格(60キロ当たり、1等米)を、11日以降の契約分から1000円引き上げると決めた。同本部運営委員会会長を兼ねる萬歳章JA新潟中央会会長が5日の年頭記者会見で明らかにした。10年産米は1等米比率が過去最低水準だったが、味は好評で売れ行きが伸び、品薄感が出ていることから、米価の下落傾向に歯止めをかけるという。
卸売価格の年度途中の引き上げは07年産以来。10年産出荷量全体の残り3割程度が対象となり、新潟など一般が1万6000円に、岩船、佐渡が1万6300円になる。これまで過去最低だったが、いずれも09年産と同額になる。2等米の卸売価格も800円引き上げ、一般が1万5200円になる。ただし、ブランド米として高価格の魚沼産コシヒカリは販売が伸び悩んでいるため、引き上げを見送り、現行の2万1000円に据え置く。
10年産のコシヒカリは猛暑などの影響で1等米比率が過去最低の21%にとどまり、作況指数も「やや不良」の97で、収穫量も下がった。生産農家の経営には痛手となったが、消費者にとっては割安感が出て、スーパーなどでの特売効果もあり、10年12月中旬時点の販売量は前年比2割増で推移している。
萬歳会長は「米価下落が続いてきたが、生産者に補填(ほてん)してもらうばかりでなく、元気を出すためにも、上げる時期と思う。卸売業者にも理解してもらった」と話し、引き上げ分を生産者に還元したいとしている。
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