食料品売場で「買い物カゴに何が入っているか」「合計金額はいくらか」を把握している人はどれだけいるでしょうか。家賃、交通費に続くアメリカ人の大きな出費は食費です。1週間の食費を20ドル削るだけで年間1000ドルほどの節約になります。週60ドルずつなら3000ドル近くです。
では、いかに食費の節約をすればよいのでしょう。何も飢えるほどに切り詰める必要はありません。節約に欠かせないのは「スーパーが利益を生む方法」と「あなたの買い物の悪いクセ」を把握することです。
余計なコストがかかる食品を見直す
スーパーで一番利幅が大きい商品は何でしょう? まずは価値は低くても高利益である商品をご紹介します。
・ 便利なもの
すぐテーブルに並べられる食品は便利さゆえに値段が高く、カット済みの野菜や果物、シリアル、パックされた食品や調理済みの食品は利幅が大きいです。これらのように「便利な商品=利便性にお金を払っている」という事実を忘れてはいけません。
・ ナショナルブランド商品
ストアブランド(プライベートブランド)がナショナルブランドの劣化したコピー商品を販売していた頃からさほど時間は経っていませんが、現在のストアブランド商品は高品質で幅広いものへと変化しています。テレビCMで見かけるような有名商品より安く手に入ります。
有名ブランド商品が大幅に高価格な理由は、必ずしも他の製品より優れているからとは限らず、知名度にお金を払っているといっても過言ではありません。
・ オーガニック食品
オーガニック食品が従来の方法で栽培された果物や野菜より健康的であるかどうかについて、現在もたくさん議論されていますが、ただひとつ明らかな事実は、オーガニック食品は高価だということです。
アメリカの場合、生産業者と市場が小規模で、生産者への助成金が少ないため、オーガニック食品はそうでない食品と比較すると必然的に約30~50%ほど価格が高くなります。どうしても農薬が心配であれば農薬をたくさん使う食品だけをオーガニックに置き換える方法を検討してください。
環境研究グループが2012年に発表した「消費者と農薬」 によるとリンゴ、セロリ、ピーマン、桃、イチゴ、ブドウには農薬が多く使われていますが、一方のオニオン、コーン、アボカドは比較的少ない農薬が使用されるため、オーガニック食品を購入してもあまり効果的でないとのこと。さらに手頃に購入するには地元農家の市場に並ぶオーガニック食品や自家栽培を視野に入れると良いでしょう。
出費を増やす悪いクセ
高価な商品を買わないことはもちろん重要ですが、本気で食費を節約したい場合、出費を増やしているような悪いクセを見つけなければなりません。以下、改善すべきポイントを挙げていきます。
・ 献立は柔軟に決めていこう
食費の節約に一番効果的な方法は、購入する商品に対し、少し柔軟になることです。事前に献立を決めるのは素晴らしいですが、クリエイティブな発想を持ち、買おうと思っていた食材をセール品と代用することも重要です。毎回同じ食品を買うより特価品を選び、それを柔軟に献立に割り当てます。材料を1つか2つ入力するだけで、予算内で作れる料理の写真付きレシピが簡単に見つかる「PunchFork.com」のようなウェブサイトが便利だったのですが、Punchforkは「Pinterest」に買収され、サービス終了予定となってしまいました(参照先)。
日本であれば、食材を複数指定して検索できる「楽天レシピ」や、「クックパッド」の検索機能を使えば、同様のことが行えるでしょう。
・出かける前のリサーチが大事
買い物の前にチラシを確認するだけで食費を少し節約できます。近所にたくさんのスーパーマーケットがない場合、買うものに応じて店を選びましょう。
トマトの缶詰やパスタ、乾燥豆などを買い貯めしたい時には他店よりも安いイタリアンマーケットを利用し、米や麺を買いたいのならアジアンマーケットがオススメです。どの店が特定の商品を一番安く販売しているかを知っておき、必要なものに応じて買い物する店を決めるとよいでしょう。
・ 必ず計算をする
スーパーに並ぶ商品の値段計算はそこまで難しくありません。携帯電話に電卓機能が付いていれば、どこでも簡単に計算できますし、さらにAndroid向けの『Unit Price Compare』やiPhone向けの『CompareMe Shopping Utility』などのアプリがあればより便利です。
「時間」の節約も大切
原文著者がトマトを探していたとき、そこに居合わせたある人に「ちょっと離れた場所で25セント安いトマトが売ってるから、ここでは買っちゃダメよ」と言われたのだそう。
彼女は倹約家ですが、25セント安いトマトを買うために必要な時間の価値を考慮し、元々手にしていたトマトを買ったそうです。
食費を抑えるために、大好きなスナックなどの楽しみまで取り払う必要はありません。どの程度節約するかを決めるのはあなた次第です。節約とは、単にお金を貯めるだけではなく、「無駄を省き豊かに暮らす」こと、そして「バランス」が大切なのです。
http://news.goo.ne.jp/article/lifehacker/life/living/lifehacker_30313.html