[ カテゴリー:生活 ]

混雑の中でのキャリーバッグ注意

落下、人の足踏みつけ”我がもの顔”キャリーバッグ「迷惑千万」

関西国際空港に昨年就航した格安航空会社(LCC)「ピーチ・アビエーション」は、格安運賃が話題を集め、就航から1年足らずで累計1万便を達成、順調に路線を拡大している。相乗効果で関空への足となる鉄道の利用客も大幅に増加する中、空港利用者のキャスター付きキャリーバッグの落下事故が増えるなど新たな問題も起きている。近年、使い勝手のよさから普及が加速する一方、引っ張って歩くと、つま先からバッグまでの長さは最大156センチに及ぶとの検証結果もあり、トラブルも増加。ゴールデンウイーク(GW)で空港や駅が混雑する中、「キャリーバッグは自分には便利だが他人には迷惑になるだけに、人の多いところでは利用方法もよく考えてほしい」との声が上がっている。

■利用客増え落下事故も増加

「手荷物から手をはなさないでください」。昨年7月、南海電鉄の関西空港駅のエスカレーターに注意を呼びかける張り紙が掲示されるようになった。関西空港線を利用する客の増加とともに、キャリーバッグの事故も前年を大きく上回るペースで起きていたためだ。

南海電鉄によると、関西空港駅のエスカレーターで起きた手荷物の落下事故は、平成20年から23年までは年50~70件で推移。ところが、LCCのピーチが就航した昨年は、関西空港線の4~12月の利用者が前年同期比で15%増の約623万6千人にまで増加。それに伴ってキャリーバッグの落下事故も、昨年は前年の63件から91件へと大きく増加した。

落下事故の大半は、改札とホームの間のエスカレーターで発生しており、そのうちの約90%は、下りのエスカレーターだという。同社の担当者は「最初は手でバッグを持っていても、しばらくすると安心してしまうのか、手を離して携帯電話やチケットを確認して事故が起こるケースが非常に多い」と話す。

これまでのところ大きなけがにつながったケースはないものの、転がり落ちたキャリーバッグが周囲にいた利用客の足を直撃するなどしており、重大事故につながる可能性もある。LCCの便数が今後拡大していくことや、今年に入ってすでに昨年並みの30件(4月18日現在)の落下事故が起こっていることから、同社は「大きな荷物を持っているときは他の人に迷惑をかけていないか十分注意して」と呼びかけているが、「結局はお客さんのマナーの問題なので…」と困り顔も浮かべる。

■便利、かわいい…、普及とともにトラブル増加

こうした落下事故の増加は、急に起こったわけではない。重い荷物も楽に運ぶことができる機能性に加え、通勤やお出かけにも持っていくことのできるおしゃれでかわいいデザインや、小型で手ごろな値段のものも増えていることから、キャリーバッグは数年前から急速に普及していた。

多くのキャリーバックを扱う大阪市浪速区のコムサイズムなんばパークス店の担当者は「ハードケースのほかにも合成皮のソフトケースも人気。おしゃれなデザインのものを買い求められるお客さんが多いです」と話す。

また別の店舗では、ビジネス用の小型キャリーバッグを購入する人も多く、街中でも使いやすいデザインが若い社会人を中心に普及しているという。ただ、旅行者以外にもビジネスマンや買い物客などキャリーバッグの利用層が拡大するにつれて、トラブルも急増している。

21年、キャリーバッグによる事故情報などを受けた国民生活センターは、使用に警鐘を鳴らした。

キャリーバッグは持ち手を引いて歩くため、手提げバッグよりも歩行者が占める面積が大きくなる。同センターが数種類のバッグを実際に使って測定したところ、つま先からバッグまでの幅は最大で156センチの長さに達した。

駅など人の多い場所や混雑している場所では、自分の引いているキャリーバッグが周囲の人の視界に入らなかったり、気づきにくいことがあることもわかった。

こうした報告や分析結果を受け、同センターはキャリーバッグを使用する際には、周囲への配慮を欠かさないことや、駅など人の多い場所や混雑している場所では、引かずに手で持ったり自分の近くで引くことや、エスカレーターなどに置く場合には、落下しないよう十分注意するよう呼びかけて、鉄道やバスの事業者にも注意喚起を求めてきた。

■重大事故のおそれも

危険なのは、エスカレーターでの落下事故だけではない。同センターによると、16年に大阪府内で60代の女性が足の指をけがした事故が初めて報告されて以降、キャリーバッグによる事故報告が相次いだという。

人通りの多い繁華街を歩行中、隣を歩いていた人が引いていたキャリーバッグがぶつかり、転倒してけがをした、キャリーバッグを引いている人の後ろを歩いていたら急に立ち止まられてバッグにぶつかった、電車からの降車時に前方の乗客のキャリーバッグに足を取られて転倒、足を骨折し入院を余儀なくされた、などさまざまなケースが報告されている。

今年2月5日には、大阪府高槻市のJR東海道線踏切で、キャリーバッグを引きながら踏切を渡ろうとした女性(79)が、バッグの車輪が線路の溝に挟まってしまい、女性は線路外に逃れ無事だったものの、バッグと電車が衝突し、ダイヤが大きく乱れるという事故も起きている。

南海電鉄やJR各社など鉄道各社は、事故防止のため早くから構内放送や掲示板などで注意を呼びかけるなどの事故防止対策をとってきた。

JR西日本は21年1月、キャリーバッグをめぐるトラブル増加を受け、事故防止を社内に通知。現在もゴールデンウイークなど利用客が増加する時期には、主要駅でキャリーバッグの取り扱いに注意するよう求める構内放送を流している。

大阪と全国各地を結ぶ長距離バスが発着する複合ターミナルビル「OCAT」(同区)でも、注意を呼びかける館内放送を流している。

ただ、それでもあわや重大事故というケースはしばしば起きている。

同センターや公共交通機関の関係者らは「使う人のマナー向上が一番の改善策。便利だけれど迷惑にもなるということを考えて」と話している。

http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20130429553.html

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