あなたはどちらの部屋が好み? 和室派vs溶室派
ひなびた温泉旅館に行くと、薄暗い和室にごろ寝して、ほどよく使い込まれた畳にほっとする人も多いかと思います。
「物には表情があり、明るいところだとノッペリしているものの、薄暗いとその表情が豊かになり、情緒を感じられる」といった意味合いのことを、その昔、谷崎潤一郎が『陰翳礼讃(いんえいらいさん)』に書いていましたが、今は、こういう感覚を持つ人は少数派なのでしょうか?
今回、「マイナビ賃貸」( http://chintai.mynavi.jp/ )では、マイナビニュースの男女500人に「あなたは和室派? それとも洋室派?」というアンケートを実施しました。さっそく結果を見ていきましょう。
■和室派はわずか17.6%。洋室派の意見は…
結論から述べると、洋室(フローリング)派が82.4%、和室派が17.6%で、圧倒的に洋室派が多く、洋室派の方々からは以下のようなコメントが寄せられています。
・畳はダニとか気になる(女性/27歳/営業職)
・フローリングのほうが掃除が楽(男性/28歳/販売職)
・たたみは手入れが大変そうだから。カビとか、ものをこぼしたときの掃除とか(女性/24歳/技術職)
なるほど、たしかに畳はダニが気になりますよね。また、畳の「目」のなかまで綺麗に掃除をしようと思うと、雑巾がけをしたくなったりと、なにかとお手入れが大変に感じるのかもしれません。
掃除の面以外で、畳は遠慮したいというご意見は、以下のようなものでした。
・フローリングの方が燃えるものがないので(男性/40歳/技術職)
・い草アレルギーのため(男性/25歳/事務系専門職)
い草アレルギーの人が、和室に暮らすのも、ちょっと大変そうですよね。防火やアレルギーなど、現実的な視点で、フローリングを選ぶ人も多いのかもしれません。
さて、「イヤ、僕は/私は和室派だ!」という方のご意見を以下にご紹介しましょう。
・フローリングだと音が響くから(男性/26歳/クリエイティブ職)
・和室の方が落ち着くし、ベッドを買うお金が無いので布団を敷くことになり、畳のほうが都合がいいから(男性/29歳/事務系専門職)
・畳の方が寝転べる(男性/30歳/営業職)
・畳だと冬は寒くないし、夏は蒸れない(24歳/技術職)
畳は、生活音をあるていど吸収してくれるし、夏は涼しく、冬は暖かいといった利点があると、昔から言われています。また、ごろ寝ができるのも、畳の良さですよね。
いかがでしたか? 生活の便利さや、張り替えのコストなどを考慮してか、ご存知のとおり、今の日本ではフローリングが主流になっています。
しかし、『陰翳礼讃』から「不便さ」と「薄暗さ」を抜いてしまうと、そこにはなにも残らないように、一見して不便そうに見えるものや、薄暗くてちょっと不衛生に感じてしまうものにこそ、日本人として「そこはかとなく落ち着くなにか」があるように思います。
「和室が多い物件だけど、是非、住んでみませんか?」と不動産屋さんに言われたならば、ぜひ住んでみてはいかがでしょうか。古き良き日本の文化を再発見できるかもしれません。
文・ひとみしょう(エスタイル+深沢アトリエ)
【アンケート対象】
調査時期:2013年3月15日~3月16日
調査対象:マイナビニュース会員
調査数:500名(男性248名 女性252名)
調査方法:インターネットログイン式アンケート
http://news.goo.ne.jp/article/mycom/life/mycom_790513.html