春らしくなり、冬物の衣類を収納する季節になってきた。コートやセーターなどかさばる冬物は、クリーニングとセットになった保管サービスを利用するとクローゼットがすっきりする。
◆自宅で注文
東京都新宿区の会社員、松垣守さん(53)=仮名=は数年前から、季節の衣類を保管してくれる宅配型クリーニング保管サービス「イー・クローゼット」(フリーダイヤル0120・35・0985)を春と秋の年2回、利用している。春には冬物、秋には夏物のクリーニングを依頼。それぞれ半年程度保管してもらうことで自宅の収納スペースを有効に使っている。
このサービスは、喜久屋(東京都足立区)が10年前に開始。店舗に出向く必要がない便利さが受け、約1万人が利用しているという。
クリーニング保管サービスには、洗濯物一点ずつ注文する個別型と、15点、30点などまとめて注文するパック型がある。ヨシハラ(滋賀県彦根市)の「せんたく便 保管パック30」(フリーダイヤル0120・096・929)は、85リットルの専用バッグにスーツやコートなど30点が詰め放題で1万1929円(送料込み)。最長で9カ月間、保管してくれる。
実際に記者が詰めてみると、スキーウエア上下=各2▽ダウンコート=1▽ダウンジャケット=1▽ウールコート=1▽ジャンパー=1▽背広=2▽ズボン=3▽上着=1▽スカート=2▽ワンピース=1▽カーディガン=2▽ストール=1▽マフラー=3-の計23点が入り、クローゼットが広くなった。
絨毯やホットカーペットのクリーニング保管に力を入れる店もある。「クリーニングのデア」(フリーコール0120・890・861、さいたま市大宮区)は保管料が1点800~1300円。絨毯はクリーニング後に半年間、預かる。クリーニング代(1万円以上、送料無料)は絨毯の材質や大きさによって異なるが平均1万2千円で、リビングに敷くアクセントラグの利用が多いという。
◆取次店も無料で
喜久屋は4月から、東京都内を中心に約130店ある取次店でも半年間の無料預かり「シティクロゼット」を開始。宅配型と比べて3割程度安くなるという。宅配型は春と秋の集荷期間が決まっているが、取次店では一年中利用できる。
小栗成登(しげと)・管理部長は「都心の住宅は一戸建てでも収納スペースが小さい。将来的には加湿器やスキー板など生活上でメンテナンスが必要なものは全て保管するサービスを目指したい」と話している。(村島有紀)
■増える宅配クリーニング 無店舗取次店が2年で4倍
厚生労働省の衛生行政報告によると、クリーニング取次店が年々減少する中、宅配クリーニングなど店舗なしで営業する無店舗取次店が増加している。無店舗取次店は、平成21年度の386業者から23年度は1692業者と、2年間で4.3倍に増えた。
しかし、利用者の増加で紛失や破損などの事故も増えているとされ、信頼できる業者を選ぶことが重要だ。
万一、預けた服が戻って来ないなどの場合、まずは業者に連絡する。対応に納得できない場合は地域の消費者センターに連絡し、「クリーニング事故賠償基準」に沿って解決を図るという。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/education/snk20130408578.html