「8020運動」をご存じだろうか。80歳になっても20本以上の歯を残そうと、主に歯科医師らが推進している普及啓発運動だ。健康な歯のためには毎日のケアがかかせない。歯のケアのコツと、ケアグッズを紹介する。
■病気リスク
成人で28本ある歯を失う主な原因は、「むし歯」と「歯周病」だ。歯は、食べ物をそしゃくする「消化器」であるため、失うと健康に悪影響を及ぼす。
8020推進財団の新井誠四郎専務理事(歯学博士)は「最近の研究で、特に歯周病は狭心症や認知症などのリスクを高めることもわかってきた」とし、歯を健康に保つ重要性を訴える。
歯の健康は、定期的な歯科医院での検診や、歯磨きなど毎日のケアで保てる。では、日々のケアはどのようにすればよいのか。
まずは、子供の頃から歯磨きの習慣を身に着けることが大切だ。特に学齢期には、大きさの違う乳歯と永久歯が混在し、歯ブラシが全体に行き渡らず、磨き方が不十分になってしまうこともある。また、6歳前後に生える永久歯「第1大臼歯」は、その後のかみ合わせを決める大切な歯で、特に注意が必要だという。
■歯磨き剤やブラシ ケアグッズ進化中
ライオンは3月に、「クリニカKid’s」シリーズから、ジェルタイプの子供用歯磨き剤を発売した。子供が興味を持つようフルーツの香味が付けられている。子供が歯磨きをするようになったら、大人が磨き方をチェックしたい。
大人になると、歯周病も気になる。歯ぐきに出血がないかなどを確認し、歯と歯ぐきの隙間をしっかり磨くことが重要だ。花王は「ディープクリーン」シリーズから2月、50歳代以上を主なターゲットにした歯ぐきケア用歯ブラシ、歯磨き剤を発売した。
花王は、歯ブラシに付ける歯磨き剤について「1回あたり約1・5グラムが適量。見た目だと歯ブラシの毛の部分全体にたっぷりと歯磨き剤が載る感じ」としている。
日々のケアには、歯ぐきの炎症を防ぐ洗口液や、歯垢(しこう)を取る歯間ブラシなどの補助用具を利用するのもよい。サンスターは「歯間ブラシは、歯の間に挿入した時、抵抗なく動く、自分に合ったサイズを選ぶように」と話す。同社が2月に発売した歯間ブラシ「ガム・ソフトピックミント付き」は、3サイズが用意されているので自分に合ったものを選びやすい。
また、最近では電動歯ブラシを使う人も多い。5月に発売されるパナソニックの「音波振動ハブラシ」は、歯の着色汚れを除去できるのが特徴で、主に女性をターゲットにしているという。
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