日本の家はすきまだらけ!?
冬にはどこからともなく吹き込んでくるすきま風。春先には花粉や黄砂でいつのまにか室内がざらざら……。きちんと窓を閉めているのに、いったいどこから入り込んでいるのか? と思うことはありませんか?
■そもそも日本家屋はすきまが多い
日本の家屋は昔から「夏」に焦点を置いて建築されてきました。どれだけうまく高温多湿に対応できるか、がポイントだったのです。伝統的な日本家屋が木と紙でできているのは、このためです。「木は呼吸している」と言われるように、木は夏の湿気を吸い取り、冬に放出します。このため木の伸縮を考えて、また風通しを良くするためのすきまは、家にとって不可欠なものだったのです。
日本にレンガや石造りの建物が造られなかったのはこのためで、もしそんな家で夏を過ごしたらカビだらけになってしまっていたことでしょう。
■気密性が好まれるようになった現代
そもそも伝統的な家屋では、夏にポイントを置いているため、冬は当然風通しがよすぎて寒さに震えることになります。最近では冷暖房技術が発展し、伝統的な建て方よりも気密性を重視した家が増えてきました。
気密性が高すぎる家はシックハウス症候群を引き寄せたり、今まで日本にはなかったような、家にまつわるさまざまな病気を引き寄せたりすることもあります。とはいえ、なるべくすきま風や黄砂・花粉はブロックしたい! と思う方も大勢いることでしょう。
■家のすきまはどこに潜む!?
すきまは特に一戸建ての家に多く見られます。窓枠の角、洗面所の配管、一階の床下、天井と小屋根の間(天袋)などなど……。これらは決して欠陥住宅というわけではなく、日本の従来の工法で発生しやすいすきまです。
また気密性の高さがウリのマンションでも、窓のサッシのすきまから冷気が吹き込んでくる場合もあるようです。
■地震や地盤沈下の影響も
工法上発生するすきまの他にも、経年劣化や環境によって引き起こされるすきまもあります。地震や地盤沈下で建物全体に歪みが生じ、ドア、床と壁の接する部分(見切り縁)など、思いもかけないところにすきまが発生している場合もあります。東日本大震災や阪神大震災で、このような家屋の歪みによるすきまができている家が増えているようです。
■充填剤で埋める!
ひとくちにすきまを埋める対策と言っても、すきまにはさまざまなタイプのものがあります。ここでは自分でもできそうな対策をご紹介します。
見切り縁にできた小さなすきまや、浴室のタイル目地のすきま、換気扇まわりなどは、ホームセンターで購入できる「充填剤」で埋めることができます。さまざまな種類が販売されていますので、用途に応じたものを探しましょう。
サッシのすきまは、まず鍵(クレセント)がしっかり締まっているか、サッシがレールにはまっているか、を確認します。それでもすきま風が入ってくる場合はどこかにすきまがありますので、二重窓にするなどの対策が必要になります。
いずれにしても日本の気候に合った家では基本的に換気することが大事です。気密性の高いマンションは快適ですが、換気も忘れずに行うようにしましょう。
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