■無料コンサートのレベルが向上している
家族サービスは、海外旅行や豪華な食事など、大枚をはたくだけが能ではない。クラシック音楽鑑賞や美術館巡りを無料で楽しめる方法があるのだ。
無料というと「安かろう悪かろう」と思いがちだが、実際は違う。たとえば有名な交響楽団のコンサートだと、良い席なら1万円近くすることもあるが、大学やアマチュアのオーケストラなら無料または1000円以下で鑑賞可能だ。ウェブで招待券をダウンロードしていけば、無料になることも多い。
漫画「のだめカンタービレ」のブームもあり、アマチュアオーケストラのレベルは近年ぐんと向上しており、聴き応えも十分だ。情報は案内サイト(「無料!激安!!コンサート情報」など)を参考にしたり、コンサートで配布されるチラシを見たりして探してみるのがいいだろう。
小中学生くらいの子どもがいるなら博物館もいい。おすすめは次の2つだ。
東京・文京区にある「ファーブル昆虫館」。規模は小さいが、『完訳ファーブル昆虫記』の翻訳者・奥本大三郎氏が私財を投じた博物館だけあって、世界中の珍しい昆虫が展示され充実の内容になっている。もう1つは「目黒寄生虫館」だ。迫力ある寄生虫の標本は圧巻。博物館は目黒通り沿いにあり、周辺にインテリアショップが並ぶ。買い物も楽しめ、妻も喜ぶ可能性大だ。
妻も納得!子どもが喜ぶ「0円レジャー」
父親たちの好奇心も満たせるレジャーに、工場見学がある。行き先選びには、学研キッズネット(学研教育出版)の「全国工場見学ナビ」(http://kids.gakken.co.jp/spguide/html/spguide/factory_navi/)が参考になる。普段目にするもの、口にするものがどうやってつくられているのか、子どもたちは興味を持って学べるだろう。帰りにお土産がもらえるところも多く、お得感もある。
またこのサイトでは、消防署や警察署、電車や飛行機の整備工場など、普段はめったに見られない施設も紹介されていることがある。サイトを見ながら子どもと一緒に行き先を考えるのも楽しいものだ。
長期休暇を利用して効率的に観光施設を回るためには、公共施設の割引クーポンがおすすめだ。東京の美術館・博物館等共通入館券実行委員会が主催している「東京・ミュージアムぐるっとパス」。2000円で77施設分の無料・割引券がついているため、すぐに元が取れる。美術館や動物園では、子どもは無料や低額であることが多いが、同行する大人の入館(園)料はそれなりにかかる。そんな悩みが解消できるのだ。
たとえば上野など公共施設が集まっている場所なら、1日回るだけで元が取れそうだ。その後はどこの動物園や施設でもタダで行けてしまうのだ。
また、博物館では星座の観察会、美術館ではワークショップなど、子ども向けの企画も催される。ただし、ぐるっとパスの有効期限は最初に利用した日から2カ月なので注意したい。関西の方には、65の施設を対象とした「ミュージアムぐるっとパス・関西」(【普及版】1000円・有効期間3カ月など)もある。
教育学者の汐見稔幸氏は、「子の学力は、『体験』『感動』の土台がないと伸びない」と語っている。体験や感動を親が子に与えられる期間はわずかだからこそ、たくさんの機会を与えたいものだ。感動体験を与えるのに経済力は関係ない。
「子どものため」を強調してきたが、奥様方が喜ぶ家族サービスとはほかでもない、「お金のかからないレジャー」である。父親のリサーチ力は、結果的に家族全員を満足させるのである。
http://news.goo.ne.jp/article/president/life/president_8903.html