一日中座ったままでいると、あらゆる面で体に良くないことは、誰もが知っているでしょう。それに対抗する方法は何も「本気の運動」だけではありません。米誌『ウォール・ストリート・ジャーナル』によると、今よりもっと立って、ただ歩くようにするだけでもいいのだそうです。
健康に関するあらゆる部署や機関が注力してきたのは、1日30分は運動するように推進することです。しかし、それ以外の時間は一日中座りっぱなしという場合は、その運動だけでは十分ではありません。
8年半以上をかけて、24万人を超える成人を対象にした研究によると、長時間のテレビ鑑賞は、心疾患などの致死率を高めることと関連があるとわかりました。週に7~8時間運動をしている被験者でも同様でした。
「この結果を見ると、長時間座りっぱなしの人にとっては、それに関連する病気や致死率のリスクを抑えるのには、運動だけでは十分ではないかもしれない」と、この研究の主任研究員であり、米国立衛生研究所の調査員でもあるCharles Matthewsさんは言います。
理由はいたって簡単です。朝、起きてコップ1杯の水を飲もうとすることから食事をすることまで、一日のすべての動きがカロリー消費量と代謝に関係しているからです。毎日運動をする習慣があったとしても、それ以外の時間ほとんど座りっぱなしでは意味がありません。ではどうするのが一番いいのでしょうか? 答えは、もっと歩くことです。
目標は1日1万歩です。これは約6.4kmの距離に相当します。人が1日に歩く平均は約5000歩です。万歩計などで歩数を計るのもいいですし、iPhoneなら『Moves』、Androidなら『Accupedo』のような無料の計測アプリもあります。
平均的な人であれば、これまでの2倍の量を歩かなければならなくなるので、一日の過ごし方から考え直さなければなりません。エレベーターを使う代わりに階段を使う(階段10段分は、平地の38歩分に相当)、電車の駅を一つ前で降りて余計に歩くようにする、会社の中でできるだけ歩き回るようにするなど、ありとあらゆる方法が考えられます。しかし、それでもまだじっと座ってテレビを見たいという人には、ウォール・ストリート・ジャーナルに載っていた、簡単な方法とその驚くべき結果をお教えしましょう。
Bassett博士は、1日90分間テレビを見ている58人を対象に、テレビのコマーシャルの間だけ、テレビの前で行進してもらうという研究をしました。「コマーシャルの間に足踏みするようにしただけで、被験者は1日約3000歩多く歩くようになりました。これは約30分の散歩に相当します」とBassett博士は言っています。
これは大きく歩数を稼ぐ方法ではないでしょうか。テレビを見る時間を削ってまで運動したくないという人にとっては、時間を捻出する努力も必要ありません。テレビ大好きという人や、忙しくて運動する時間が取れないという人は、まずはコマーシャルの間に足踏みしてみましょう!
Hard Math: Adding Up Just How Little We Actually Move | The Wall Street Journal
http://news.goo.ne.jp/article/lifehacker/bizskills/healthcare/lifehacker_30365.html