ご当地いなり寿司、あれこれ 第二の恵方巻きに次ぐブームとなるか
2月3日の節分に、恵方巻きを食べる習慣は徐々に定着しつつある。そんなこともあってか、「いなり寿司」が第二の恵方巻きを目指しているようだ。
そもそもいなり寿司は、商売繁盛・五穀豊穣の神様「稲荷神(いなりしん・いなりのかみ)」の誕生日とされる「初午の日(はつうまのひ)」に奉納する品だった。そして、稲荷神の使いがキツネであった。このキツネの好物とされる油揚げに、寿司を詰め込んだものが発展して、現在のいなり寿司となったといわれている、縁起の良い食べ物だ。
しかしながら初午の日は、暦の関係で固定されておらず、今年は新暦では2月9日となるが、旧暦でみると3月17日となる。そこで日本惣菜協会は3月17日に合わせて、「いなりを食べて福招き」と積極的なプロモーションを展開している。
一方で、日本三大稲荷神社のお膝元でも、いなり寿司による地域活性化の活動が盛んになっている。
稲荷神社の総本山である伏見稲荷大社(京都府)には「伏見稲荷寿司ひろめ隊」が活動している。同隊は2010年春に結成され、西日本では一般的な三角形の油揚げに具材が入ったスタイルの発祥地として、伏見の味をアピールしている。たとえば伏見稲荷大社の周辺19の店舗マップを作成し、1個70円からある各店舗の一品を紹介している。また「伏見稲荷寿司セット(1,140円他全3種)」など、自宅で作れるいなり寿司の通信販売にも積極的だ。
また、愛知県の豊川市には、2009年に誕生した「いなり寿司で豊川市をもりあげ隊」がある。こちらは豊川稲荷(正式名称は妙厳寺・みょうごんじ)の参拝客に親しまれてきたご当地いなり寿司の全国区展開を目指している。昨年の段階で、豊川市内でいなり寿司を味わえるは102店舗ある。1個80円のスタンダードな味から、独特の食文化で有名な名古屋市も近い場所柄か、味噌カツいなり(2個300円/和食処 松屋)などユニークなものまで、多彩ないなり寿司がそろっている。
一方、2006年の発足以来「笠間のいなり寿司いな吉会」は、笠間稲荷神社(茨城県笠間市)のいなり寿司の普及と発展に尽力してきた。笠間のいなり寿司の特徴は、ソバやクルミを使った変わり種という点だ。甘めに味付けた油揚げの中身は、酢飯とクルミと白ゴマといった香ばしい逸品「くるみいなり(1個120円/きむらや)」など、同会加盟の全12店舗では、特色あるいなり寿司が楽しめる。さらに毎月17日には「いなり寿司の日」として、割引など各種サービスも実施している。
いなり寿司が恵方巻きに次ぐブームを巻き起こすか、今後の動向が注目される。
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