重症のインフルエンザで、魚油などに含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)由来の脂質酸代謝物プロテクチンD1(PD1)がウイルス増殖を抑制することをマウス実験で解明したと、今井由美子・秋田大大学院医学系研究科教授と大阪大、東大の研究チームが発表した。重症化したインフルに有効な治療薬の開発につながる可能性がある。8日発行の米科学誌「セル」電子版で発表した。
タミフルなど既存の抗インフル薬は感染から48時間以内に投与しなければ効果がなく、重症者の救命は難しかった。今井教授らによるマウス実験では、感染後48時間を過ぎても、PD1を既存薬(ペラミビル)と併用すれば生存率100%になった。ペラミビルだけ投与したマウスの生存率は約25%だった。
今井教授らは多数の脂質代謝物の中からインフルウイルスの増殖を抑える物質を特定し、PD1は従来の薬とは異なるメカニズムで増殖を抑えることも確認した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130308-00000010-mai-sctch