15日は小正月とか女正月と呼ばれ、早朝に一家そろい、無病息災を願って小豆粥を食べます。早朝に食べることから「あかつき粥」、小豆の色合いから「紅調(うんじょう)粥」「さくら粥」とも呼ばれています。
小豆の赤い色には邪気を祓う力があると考えられ、小豆粥はもともとは五穀豊穣や子孫繁栄を祈った農耕神事として食べられていました。この日の小豆粥に入れる餅は11日の鏡開きをした餅で、固いものを食べると歯が丈夫になるという「歯固め」の風習の名残とされています。
塩味をつけないで食べるのが基本ですが、江戸時代には塩や砂糖で味をつけて食べていたことが文書に残っています。『守貞謾稿(もりさだまんこう)』という江戸時代の書には江戸では砂糖を入れ、京阪は塩を入れて食べていたと書かれています。
地域によっては、小豆粥の前に大根おろしをひとつまみ食べる習慣もあり、ススキの箸で食べる風習も残っています。
小豆はビタミンB群を豊富に含み、特にB1を多く含んでいるため疲労回復に優れ、食物繊維やサポニンが利尿作用やむくみを取る効能を持っています。この時期に多い風邪予防にも有効なお粥だったと考えられます。
「小豆粥」時間:35分 255kcal
作り方① 小豆は水洗いし、水2カップを加えてすぐにひと煮させ、小豆と煮汁に分ける。
② 鍋に洗った米と小豆を入れ、小豆の煮汁と水を合わせて3と1/2カップにし、火にかける。
③ 沸騰したらフタをずらしてのせ、弱火で約20分コトコト炊く。
④ 鏡餅を食べやすい大きさに切り、焼く。
⑤ おかゆに焼いた餅を入れ、再び煮る。
☆ 小豆粥は疲労回復力や体内を解毒する働きに優れているお粥です。小豆は炭水化物の含有が高く、米と一緒に炊くことで、力の出るエネルギー源となります。消化がよく利尿作用もあるため、疲れが取れてむくみを取り去り、水分代謝をよくする働きを持っています。赤い色は水溶性の色素のアントシアニン。強い抗酸化力を持ち老化防止に優れています。
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