新潟市に公営の本格的な動物園の建設を目指す市民団体「にいがたに動物園をつくる会」が設立された。10万人の署名集めや、動物園建設の候補地調査や関係する法規制などの情報収集に取り組んでいる。市民の憩いの場となり、環日本海諸国の動物を展示して新潟の特色を示す構想という。
県内にはかつて月岡温泉に動物園が存在したが、閉園。新潟市内では今春にアルパカなどを飼育する動物ふれあいセンターが開園する予定だが、ゾウやライオンなどの大型動物を飼育、展示する施設はないままだ。
このため、県職員OBの高杉健さん(68)らが「子供たちがゾウを見るのに高速道路に乗って県外まで移動しなければならないのは気の毒だ」と動物園建設を提案。周囲でも同じ思いの声をよく耳にしたことから、昨春からホームページなどで呼びかけ、会の設立にこぎつけた。
昨年12月に新潟市内で開いた設立総会では役員を選出し、当面の事業計画を決定。顧問に就任した県観光協会の高橋正会長も「簡単ではないが、新潟には中国、韓国、ロシアの領事館があり、動物の交流を通して新しい形の動物園がつくれるのではないか。経営も大変だろうが、(北海道旭川市が運営する)旭山動物園のように、繰り返し行ってみたくなる動物園にしたい。観光協会としても積極的にお手伝いしたい」とエールを送った。
総会では「園内で必要になる電気を自然エネルギーでまかなうことを念頭においてはどうか」と意見が出るなど、構想は膨らみそうだ。
事務局長に就任した高杉さんは、「署名も短期間で達成できるとは思わないが、行政へのアプローチと並行して進めたい。ただ動物を見る場でなく、生命、環境を学ぶ場として活用できる施設を目指す」と決意を語っている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130115-00000035-san-l15