水産庁公認の”魚ソムリエ”誕生、消費拡大へ精鋭34人任命
魚のこと聞いてください-。水産庁は魚の消費拡大策の一環で、魚の知識や魚食文化を伝える人材を「お魚かたりべ」とする制度を創設。第1弾として、漁業や流通関係者など34人が11月中旬に選ばれ、活動に入った。いわば政府公認の“魚ソムリエ”。魚についての情報発信を強化することで、購買意欲を高めるのが狙い。
「週に1度は頭のついた魚を買って」。かたりべに認定された白石ユリ子さんは、主催する魚関連のイベントで、主婦らにアドバイスする。最近は小売店の売り場に簡単に調理できる切り身なども増えたが、「食べ方を指南できる人がいれば、もっと魚食の楽しみが広がる」と訴える。
かたりべに選ばれたのは、漁業関係者や水産会社社員など、魚についての食育や、調理レシピ普及などの実績を積んだ人材だ。
水産庁がこうした人材の発掘に乗り出すのは、魚の消費拡大に、知識や情報の充実が欠かせないとの読みがあるためだ。
国民1人当たりの魚介類の年間消費量は、平成13年度の40・2キロをピークに、23年度には28・6キロ(概算値)まで急落。魚に対して「健康によい」といったイメージを持つ一方、「調理方法が分からない」など、情報の不足が購買意欲にブレーキをかけている。
これまでも水産庁は、現代のライフスタイルに合わせ、手軽に食べられる魚商品を「ファストフィッシュ」ブランドに選定。情報不足をカバーする戦術を展開するが、「手間をかけても魚を食べたいという土壌を育てないと、足腰の強い魚消費につながらない」との指摘もあった。同庁は、かたりべをファストフィッシュと並ぶ“車の両輪”と位置づけ、消費者の魚離れを食い止めたい考えだ。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/snk20121203572.html