真空パック食品を常温で保存すると、食中毒になるおそれがあることがわかった。 真空パック食材の保存方法について、厚生労働省が、注意を呼びかけている。
常温で保存した場合、危険な食中毒を起こすおそれがあることがわかった。 秘伝のたれを使い、丁寧に焼かれるウナギのかば焼き。 東京・港区にあるスーパーでは、老舗ウナギ店「つきじ宮川本廛」のウナギのかば焼きが、真空パックで売られていた。 こだわりの老舗の味を真空パックにした商品は、通販や贈り物などで人気商品だという。 つきじ宮川本廛の吉田吉完副社長は「(真空パックの良さは)お店でお召し上がりいただくのと、ほぼ同じ形の味のものを、いつでもお客様のお好みの時に、ご自宅でお召し上がりいただけるというところだと思います」と話した。 今や、多くの食品に利用されている真空パック。 街の人は、「(真空パックの食品は買いますか?)買います」、「買います。つくだ煮とか…」、「最近よくスーパーで見かけるなと」などと話した。
しかし、注意しなければならないことがある。 つきじ宮川本廛の吉田吉完副社長は「常温ですと、やはり菌が発生してしまう可能性が高まってくる。冷蔵の方が、より食の安全を(保てる)」と話した。 レトルト食品の場合は、殺菌のため、120度で4分以上加熱することなどが義務づけられており、常温保存が可能となっている。
しかし、こうした殺菌処理をしていない真空パック食品を常温で保存すると、ボツリヌス菌による食中毒のおそれがあるという。 厚生労働省は19日、注意喚起のため、リーフレットを作成し、配布すると発表した。 「最強の自然毒素」といわれるボツリヌス菌。 国立医薬品食品衛生研究所の五十君 靜信氏は「酸素のない状態。例えば、密封した容器に入っているようなもの。そういったところで(菌が)増殖する。(ボツリヌス菌は)非常に強力な毒素ですので、重篤な神経症状を示してしまって、亡くなってしまうという例が起こってくるわけです」と話した。 ボツリヌス菌による食中毒は、短時間で呼吸困難などを引き起こし、命にかかわる場合もあるという。
2012年3月、鳥取県では、麺類の真空パック食品を食べた60代の夫婦が、ボツリヌス菌による食中毒で、一時、意識不明になっている。 街の人は、「怖いですね。知らないままだと」、「空気に触れていないから、傷まない感じがあるので、(常温保存でも)大丈夫かなと思うんですけど」、「怖いですね。とりあえず、冷蔵庫に入れようと思いますなど」と話した。 この危険な食中毒から身を守るため、国立医薬品食品衛生研究所の五十君 靜信氏は「異臭がしたり、容器が膨らんでしまっているような状態。こういったものは、基本的には食べないように注意するというのが重要かと思います」と話した。 真空パック食品は、食品表示に従い、冷蔵庫などでの適切な保存が必要となる。
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