かわいいという感情は集中力を呼び覚まし、細かな手作業の正確性を高める。9月にまとめた論文「ザ・パワー・オブ・カワイイ」は、世界の70以上のニュースサイトで紹介された。
きっかけは5年前、認知心理生理学を教えるゼミでの女子学生の一言だった。「かわいいっていう気持ちを研究したい」。だが、人気のゆるキャラなどには興味がないし、「学問の対象になるとはとても思えなかった」。
ただ、愛らしいものと出会った女子高生らの甲高い声を聞くたび、研究者としてその心理構造が気になっていた。
小さな部品をピンセットでつまみ上げる作業で実験すると、作業前に子犬や子猫の写真を見た学生グループは、成犬などの写真を見たグループより成功率が格段に高かった。「かわいい」には対象に近づいて詳しく知りたいと思わせ、結果として集中させる力があると結論づけた。
日本発のアニメ文化の影響から、「KAWAII」は今や世界の共通語に。「動物などのキャラクターグッズは出張の必需品。海外での学会発表の力強い助っ人です」と笑った。(広島総局 薮上遼介)
「かわいい」の力を研究する広島大学准教授 入戸野(にっとの)宏(ひろし)さん(41)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121119-00000301-yomidr-soci










