ゴミをお金に!地球に優しいバイオマス発電 参入する企業や自治体続々
再生可能エネルギーの一つであるバイオマス発電に注目が集まっている。バイオマスとは、「動植物から生まれた、再利用可能な有機性の資源」のことで、主に木材、海草、生ゴミ、紙、動物の死骸・ふん尿、プランクトンなどが該当する。
これらは捨ててしまえば単なる「ごみ」だが、ひと手間加えて発電の原料にすれば、再生可能エネルギーで発電された電気を電気事業者が一定価格で買い取る「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の対象になる。さらに、導入企業には補助金も支給されることから、「ごみ」をお金にしようと、バイオマス発電に参入する企業や自治体が増えている。
大量のふん尿の問題を抱えていたくずまき高原牧場は、牛の排泄物を発酵させてメタンガスを抽出し、発電や熱回収を行う「畜ふんバイオマスシステム」を導入した。発生した電気は施設内で有効利用するほか、良質な有機肥料を作り出すリサイクルシステムとして、注目されている。
また、横浜市環境創造局北部汚泥資源化センターでは、下水処理過程で発生する消化ガスを燃料にしてガスエンジンで発電させるほか、鶴見工場ではごみを焼却する際に発生する熱を利用して発電を行っている。発生した電力はセンター内で利用し、余剰電力は電力会社に売却している。
一方、オリックスは昨年9月、「吾妻木質バイオマス発電所」の営業運転を開始した。剪定枝や廃木材などを破砕しチップ化した「木質チップ」を燃料としてボイラー内で燃焼させ、発生した蒸気でタービンを回転させて発電する。廃材を利用することで、廃木材の適正処理と、二酸化炭素の減少を促進させる。「吾妻木質バイオマス発電所」の発電規模は一般家庭約2万4,000世帯分の年間電力使用量に相当。発電した電力は「特定規模電気事業者(PPS)」を通じて供給する。さらに、「日本エネルギー経済研究所グリーンエネルギー認証センター」からグリーン電力発電設備の認定を受け、環境付加価値部分の一部を証書化し、「グリーン電力証書」として販売している。
これまで手つかずだった「ごみ発電」が普及すれば、電力問題と環境問題が、改善に向け一歩前進する。今後の進展に期待したい。
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