[ カテゴリー:医療 ]

在宅医療にiPad活用…山形・天童市東村山郡医師会

医療や介護チーム内での連携が課題になっている在宅医療で、山形県の天童市東村山郡医師会は今年夏から、多機能情報端末「iPad(アイパッド)」を使った情報共有の取り組みを始めた。中心となる三條篤史医師(天童市)は「県内で在宅医療の充実が求められる中、スタッフの連携を助ける重要な手段になる」と意義を話している。

在宅医療の現場では、退院後のがん患者などに対して、医師や看護師、薬剤師、理学療法士など多くの職種が関わり、それぞれが患者宅を訪問する。病院スタッフのほか、介護保険を適用する場合はケアマネジャーや介護職も含めて、綿密な情報交換が必要だが、電話やファクスでのやり取りが主流だ。

こうした課題を解消するため、同医師会は、タッチパネルでの操作や持ち運びが容易なiPadに着目。「どこにいても確実に患者情報を共有できる仕組み」(三條医師)の構築を目指すことにした。県が今年度から始めた「在宅医療推進モデル事業」で約160万円の助成を受け、端末5台の購入やデータ管理料などに充てた。

共有できる情報は、患者の診療予定や状態などで、スタッフや患者の家族が互いに意見交換できる欄もある。関係するスタッフ以外は閲覧できないようになっており、セキュリティー面でも、病院などの電子カルテと同様、厚労省などが示した医療情報に関する指針に基づいて対応した。

運用を開始した8月以降、患者の同意を得られたのは3例。病院主治医、訪問看護師、ケアマネジャーなど計11人が参加し、患者の状態の把握や医師の薬量の変更指示などで活用された。

末期がんで9月末に家族が自宅で看取(みと)った50歳代の女性の場合、家族も参加する形を取った。痛み止めの薬の量を増やし、呼吸回数が減ったことを家族が不安に思って尋ねた際、在宅主治医だった三條医師は「大丈夫ですよ」と回答。家族は「安心しました」と書き込んだ。

実際に使ったスタッフからは「時間制限がなく正確な情報共有が可能」(薬剤師)、「電話では聞けないことも聞けて後から見直せる」(患者家族)、「外出先からも入力できる」(訪問歯科医)などの肯定的な意見が多い。一方で「緊急時の連絡には向かない」(病棟看護師)、「相手の顔が見えないと不安」(訪問看護師)などの声もあった。

三條医師は「あくまでも、顔の見える在宅医療のチーム間の連携手段」と強調する。今年度は計8例程度まで対応する予定で、将来的には患者や家族も参加しやすい仕組みを探りたいとしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121108-00000302-yomidr-soci

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