ふと微妙な振動を感じて、「地震か!?」と思いきや、隣の同僚の貧乏揺すりだった…なんてこと、誰でも経験あるのではないだろうか。
一説には、貧しい人が寒さに耐えてカタカタ震える様子になぞらえたことが由来とされる貧乏揺すり。たいていの場合、本人は自覚しておらず、その字面の印象の通り、決してほめられたものではない。
ところが最近、身近な人から気になる話を聞いた。百害あって一利なしと思っていた貧乏揺すりには、じつは冷え性やむくみを改善する効果があると、一部の女性の間で話題になっているというのだ。本当にそんな効果があるのだろうか? 新宿ライフクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。
「なるほど、それは面白い視点ですね。たしかに、無意識に足を小刻みに動かす貧乏揺すりの動きを分析すれば、非常に体に負担の少ない運動であるという解釈は可能です」
もちろん、マナーの面では決してほめられたものではないと前置きしながら、貧乏揺すりにも運動と同じ効果を認める須田先生。ということは、冷え性に悩む人が貧乏揺すりを直すのは得策ではない!?
「貧乏揺すりによって足の血行が促進するのは事実でしょうし、それによって局所的に冷えやむくみが改善されることもあるでしょう。しかし、正規の治療やリハビリテーションを凌駕する効果があるものではあり得ません。冷え性で困っている方には、やっぱり温足浴やマッサージといった対応を取られることをお勧めしますよ」
須田先生によれば、関節が変形することで痛みを起こす変形性関節症の治療手段として、貧乏揺すりに着目して研究を進めている専門家も存在しているそうだが、悪癖は悪癖。もしかすると、自分の貧乏揺すりで周囲は不快な思いをしているかもしれない。やはり直す努力をした方がよさそうだ。
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/wxr_detail/?id=20121029-00026616-r25&vos=nr25gn0000001